秘密の理

 「今のところどう?」


「全然。入れ替わって気は楽になったけど手がかりは一切ない。」


「そっか。ありがとう。色々迷惑掛けてごめんね。」


「いいよ。こちらこそ。生きる理由が見つかって良かったよ。この珈琲の香水とも出会えたし。」


「ラベンダーの香水も素敵だよ。」


「ありがとう」


「それで話なんだけど、もう犯人は探さなくていいよ」


「えっ本当にいいの?なんで?」


「うん。もう犯人が見つかっても両親は帰って来ない。それなのに探す意味もないのかなって思った」


「分かった。これからどうする?」


「今が1番楽しいから今のままでいいかな?」


「分かった。これからもよろしくね。恋華」


「こちらこそ、夢」


「そういえば最近上手くいってる?」


「仲良い友達が何人か」


「良かったね。私はイラストレーターとバイトの掛け持ちって感じかな」


「そうなんだ。じゃそろそろ帰ろうか」


「うん。ばいばい」


「ばいばい」


2人が話していたのを聞くといくつの違和感が出てくる。多分恋華と言う名前の人のご両親がなにか事件に巻き込まれて亡くなったのだろう。そして普段つけている珈琲の香水はその女性から知って気に入ったものらしい。違和感の招待はあまり分からないが今はそんなことを考えるよりも自分のことを考えなければ。頭を落ち着かせてから家へ向かった。

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