戦うイケメンコンテストのボツ案
というわけで今回は、戦うイケメン中編コンテストに出した
『千年ぶりに現れたとかいう安倍晴明レベルの陰陽師(ただしヘタレ)は、チート過ぎてバトルには向かない!?〜もふもふ式神×3とあざとい系神主のわくわくデート尾行〜』
https://kakuyomu.jp/works/16816927860259401404
のボツ案について書こうかな、って。イケコン締め切ったし。
何せ中編ですからね、字数の関係でこれも実は色々あきらめた話とかあるんですよ。中編だからこそ「これくらいなら書けるかー」っていう気楽さで参加を決めたはずなんですけどね。いざ書いてみたら結局長編並みの話になるところでした。
まだ読んでない人がいるかもですけど、もうこれについては自己責任ということでね。先にあっちを読んできていただいても、ええ、全然。
ストーリーの大枠、『慶次郎が葉月を遊園地デートに誘い、歓太郎のお勧めルートを無視して逆から回った結果偉いことになる』というのは同じなんですけども、この、『歓太郎お勧めルート』が実は土御門神社の神様が考えたやつだった、っていうのが当初の予定だったんですね。
始まりはこうです、いつものように歓太郎が巫女の恰好で神様のご機嫌とりに神楽を舞い終え、一緒にお酒を飲んでいる時に相談するわけです。
「慶次郎とはっちゃんをどうにかうまいことくっつけられないものか」
カワイコちゃん(歓太郎)にそんな相談をされ、神様は張り切ります。私に任せろと、遊園地デートをプロデュースするわけです。で、どうにかチケットを手配しろ、と歓太郎に指示を出します。そこで歓太郎はお得意さんであるどろろんランドの園長さん(こういうところはきっと定期的にお祓いとか頼んでるはず)を脅すなりしてチケットを手に入れます。ついでに多少のトラブルも目を瞑れくらいのことは言ってます。
だけど、はっちゃんは歓太郎プロデュースを知って激怒、逆から回ったろうじゃん! となるわけです。これには神様も激おこ。おのれ、人間め、と。しかも葉月は自分の可愛い可愛い歓太郎をいつも邪険に扱うので、そういう点でもちょっと気に入らない存在だったりします。神様→歓太郎はLOVE的なアレじゃなくて、我が子への愛みたいなイメージです。ウチの可愛い僕ちゃんをよくも、みたいなやつです。姑に近い。
で、マスコットキャラの『たいまくん』が封じていた怨霊をちょいちょい小出しにして(神様だから何でも出来る設定)、まずは観覧車を止め、次は刃物男を登場させ(失恋したての男にヤバい怨霊を憑りつかせるなど)――、でわちゃわちゃしてたら、『たいまくん』の中から親玉みたいなやべぇ悪霊が出て来て(これが後の『卜部篤永』になる)、さすがに神様これはやりすぎだろってつーことで歓太郎が参戦し、ピーンチ! というところで、颯爽と神様が現れて歓太郎を救い出し……という。とにかくもうめっちゃ神様出す気満々でしたね。あわよくば歓太郎と神様をBのL的な感じに発展させてそっち方面の読者様を増やせないものか、みたいな目論見もありました。たぶんCVは速水奨さんですね。
ちなみに刃物男とのバトルシーンでは、慶次郎が葉月を庇うなどして刺されるという展開もありました。で、「残念だったな、それは僕の式神だ」って。でもこんなシーン、映画の陰陽師でも見たな、と思って、パクリになるかな、とビビッたりして。
だけど、刃物男なんて出しちゃったら、これ普通に警察呼ばれるやつじゃん、って。あと、物理的なバトル書けないな、って。何よりも、字数が無理だな、って。
そんなこんなであんな感じのストーリーに変えたわけです。
ただ、裏設定として、歓太郎はあのルートを考えた時に神様からのアドバイスはもらっていることになっています。五芒星のルートですね。園のパンフレットは、回る順を数字で示しているだけで矢印とかは書かれていないため、お勧めルートが五芒星になっているのはわかりにくいということになっています。それでも気付くのが陰陽師なんじゃねぇのかよ、とも思いますが、慶次郎も浮かれてたんでしょうね。浮かれてたのか、緊張してたのか。
まぁ、冒頭の臨時君とか、前作からの説明パートをもうちょっとどうにかすれば書けたかもなんですけどね。それにしてもバトルは無理でしたけど。
ちなみに、この『歓太郎が黒幕(黒幕でもないけど)』みたいなのは、前作にも構想だけはあって、実は途中まで歓太郎は歓太郎が作った式神という設定でした。で、本人はやっぱり自分探しでインド旅行に行ってる、という。
で、なかなかカップルにならない二人にやきもきして『式神の歓太郎』が慶次郎を焚きつけるために葉月に手を出し、まんまと乗せられた慶次郎が歓太郎を消し――と思ったら、本人登場で、慶次郎が消したのか、歓太郎が消したのか濁す感じにしようかな、って。歓太郎はあのまんまのキャラでインスタント神主なんですけど、実は慶次郎よりもすごいのかも! みたいなのを匂わせて終わろうかな、みたいなのがあったんですよ。
そんな感じのを考えながら書いてたんですけど、結局歓太郎はただのわいせつ神主になりましたね。あんまりこいつに力を持たせたら厄介だな、って。なので、才能の方はぶっちゃけないんだけど、とにかく努力で乗り越えた人、というそれはそれですげぇな、っていうキャラになりました。
というわけで、いま思い出した裏設定やボツ案はこんな感じです。こういうのって出したくなりません? 私は出したくなっちゃうんですよねぇ。
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