第ニ話 arrive 2


「うーん、嫌だなぁ.....今から外出るの。うん、でもしょうがないかなぁ。やっぱり、お菓子なかったら死んでしまうぜ。ゲームも捗らなくなるしね。よし、少しだけやる気を出して、今から近くのスーパーへ、買い出しにいくべ。」



 そして外に行く用のほんの、ちょっとした準備をして玄関まで来た。

 俺は玄関にあった、純白の白いシューズを雑に放り投げ、おもむろに棚から黒いシューズを取り出した。

 余り使用もしていないので、そのシューズはピカピカで、まるで新品の様だった。

 基本、学校に行くときは白いシューズなので黒いシューズは、滅多に使う事はない。

 そんなもう、外に出かける寸前な時、急に面倒な事が起きた。

 母親だ。

 母親が俺がゴソゴソしている事に気がついて、玄関までわざわざ出てきた。

 ああ、分かっているとは思うがとても、面倒だ。


「ちょっとあんた、待ちな。もー、こんな遅い時間に毎回どこ行ってんのよ.....。」


「.....いや、ただ単にそこのスーパーでちょっと菓子買いに行くだけだよ。」


 特に夜にお菓子を買う事は、そのまま包み隠すことでは無いので、これから行うことを母親に正直に話した。

 すると母はおもむろに大きなため息をつき、俺を叱った。


「ちょっとあんたね、最近ご飯じゃなくて、お菓子ばっか食いすぎよ。最近夜ご飯残しすぎよ。SDGsに反するわ。」


「うん、まあ、そうだね。」


「そうだね、じゃないわよー。まったく。お爺ちゃんとか見たでしょう。塩分の取りすぎは身体に良くないのよ。それでお父さんも.....塩分の摂りすぎで、早くに死んじゃったから。」


「.......」


 なるほど、早死になされたご先祖様を使うのか。そして、この後やはり少し気まずくなり沈黙した。

 この空間に長い間いると、色々と崩壊する気がしてきたので、この混沌に見舞われた地獄のような空間から、一人逃げることにした。

 すまぬが思春期の息子はこういうことをするときは、できればほっといて欲しいんだな。

 あばよ、母。悪く思わなくてくれ。


「って、ちょっとあんたどこ行くの?私の忠k...」


「バタン‼︎」


 俺はこのままだとヒートアップしてさらに、めんどくさくなりそうなので、母の話の途中にドアを強引に閉めてそのままスーパーに旅立った。

 説教はさせてしまうと、そのまま永遠と続く可能性があるのでプツリと切ってしまうのがまさに、人間の叡智だと言えるだろう。

 はっきり言って全部が全部聞いていたらそれこそ時間の無駄だ。説教は別にミュートにするので大丈夫だけども。聞いて無かったら無かったらで怒られるからな。もう、怠いわ。


「あー、もうめんどくさい。このまま母と何を話せって言うんだよ。」


「まあ、確かにお爺ちゃんも、お父さんも若いうちに塩分の取りすぎで死んだって聞いたけどもさ.....。」


「うーん、でも俺さ、おじいちゃんや、お父さんが死んだ年齢よりも、まだ若いし、まだそんな気にするような事でもないだろ。流石に心配するにしても、ちと早すぎる。ちょっと家事のストレスが溜まってるからって、大袈裟なんだよ。どうせみんないつかは病気になるんだしよ。そんな事気にしても結局は変わらない。我慢したとて、ストレスが溜まるだけさ。」


 そして俺が外にでると物凄い肌寒い寒さが、俺に襲ってきて、その冷たい風は寂しげにどこかへ去っていく。

 この地域の夜は酷く静かで、走りゆく車の音すらまったく聞こえない。

 聞こえるのはただただ、静かに吹く風の音と、カラカラの落ち葉が地面に落ちる音だけだ。

 月は今日は三日月で、金色の光で夜の空で1番明るく照り輝いていた。

 まあ、そんなこんなで今現在俺がいる場所はな、家からたった15歩程(俺調べ)の地元密着型の、中型ローカルスーパーだ。

 家の目の前に立っている、世にも珍しい24時間営業の超絶便利なスーパーマーケットだ。

 コツコツコツという音をたったの15回鳴らすだけでそこついてしまうぐらい近い。

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