勇者は用済みになった

@AI_isekai

本編

勇者の最期

魔王死亡

 ――深い闇


 頑丈な石造りの城の中では、勇者パーティーと魔王の戦いが繰り広げられていた。


 勇者パーティー

 勇者とそれを補助する魔法使いの私、前衛を担当する戦士、皆を癒す僧侶。


 まさしく一進一退の戦い。


 「この一撃で、決める!」


 勇者は高らかにそう宣言する。


 「聖剣エクスカリバー!」

 「魔剣グラム!」


 勇者の聖剣と、魔王の魔剣がぶつかりあう。

 鈍い金属音が鳴る。剣と剣の間には、時空の歪のようなものが開き決着はつかないかに思えた。


 そして、私たちは勇者の一撃に賭けて全力で援護した。


 「炎煉獄エクスプロージョン

 「剛撃!」

 「裁きジャスティス


 私の炎煉獄エクスプロージョンは、魔王の頭上から火を噴くように業火を撒いた。


 戦士の剛撃は、勇者と魔王のパワーバランスを崩すことに成功した。


 僧侶の裁きジャスティスは、魔王を大幅に弱体化させた。


 「「「いっけ―――勇者!!!!」」」

 

 全員の力を結集した最後の戦いは、勇者の勝利に決まった。



 「これで、終わりだ。魔王!」


 「馬鹿な……この私が!」


 かくして、魔王は聖剣に貫かれ絶命した。


 暗闇は晴れ、空には綺麗な夕日が見える。

 


 「あぁ、終わったんだな」


 勇者は呟いた。


 「そうだ、これで終わったんだ」

 「これで、世界が平和になった」


 戦士は、促すように言った。僧侶も、続いた。


 「ええ、そうね」


 私もそう口にした。

 あとは、あなたを殺すだけ。



 そう、勇者は用済みになった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る