第38話 魔道具作成

解放された物語の悪役令嬢。悪役令嬢は物語の終わりで、領地に閉じ込められたとしかない。閉じ込められてどうなったのかは書かれてない。


あの性格のままなら、領地に閉じ込められた生活は苦痛だろう。でも、そうでないなら、誰かに愛されたのなら、幸せになったかもしれない。


フィリスティアは、学園を卒業後、王宮に就職しないかと誘われたが、結婚式の準備や公爵家の引き継ぎを理由に断った。


「ねぇ、キッド。ポーション良なんだけど、今までは、王宮で作っていたけど、今後どうしよう?」

『局長以外は作れるようになったのかい?』


そうなのよねぇ。相変わらず局長しか作れないのよ。局長は、中級と上級は作れたけど、下級は無理みたい。他の人たちは、自分の研究もあるから、あまり試してない。私も感覚でやっていた為、教えることが難しい。


なにかいい方法はないかな?


例えば、魔道具。必要な魔力が入ればライトがつく。均等に消費できなければライトが消える。下級、中級、上級でライトのつく色を変える。


あれ?出来そうよね。この魔道具。


「ううん、局長だけ。騎士団は質より量だから、あまりみんな作ろうとしなくて。」

『フィーが作ったのはどうしてるの?』

「王宮で作った分は、1割が毎月振り込まれているから王宮が販売してるんじゃないかな?」


特許をとってから、学園生だけど週2日給料をもらって、中級ポーションを中心に作っていた。作ろうと思えばたくさん作れるけど、チートがバレると面倒だったので、1日2本くらいしか作らなかった。


リトラーゼ公爵家でも王都の疾風の拠点でもアウロの森でも作る設備はある。錬金術師になったから、弟子をとることも出来る。


私だけが作るならどこでもいいのだけど、公爵家としてポーションを作るなら話はかわってくる。公爵家の領地に公爵家専属の錬金術師がいる。魔道具は作っているけど、ポーションはあまり作っていない。下級は領地のギルドから安価で購入し、中級、上級は専属の錬金術師が作っている。


『他の人が作るのは難しいの?』

「感覚がわかれば作れるの。魔道具でも作ろうか迷ってる。」

『領地に行ってみようか?それまでに魔道具作ってくれる?』

「うん。」


魔道具を作ってみる。光の魔石は高価だけど、仕方ないかなぁ。風でメモリを動かしてみる?風の魔石なら安価だね。


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