第36話 美味しいポーション?

ヒロインがいなくなり、平和な日常が戻ってきて、2年になった。


2年の選択の薬学と錬金術は、王宮での外部授業だ。その為、ほぼ学園に行くことはない。王宮での外部授業は、主にポーションを作っている。


ポーション作成はとても楽しい。

課題は、美味しいポーションの作り方だ。


魔力を均等に入れると苦味が出ない。下級はあまり魔力を込めすぎると苦味がでる。級にあった魔力量と質がある。

レポートに纏め、提出したら王宮の上司であるエリック・クラール伯爵が慌ててやってきた。


『リトラーゼ公爵令嬢、これどういうことかな?』

「美味しいポーションを作りたくて色々試行錯誤した結果の考察です。」

『他の人で試したかい?』

「いえ、まだです。局長、協力していただけませんか?」

『わかった。とりあえず、商業ギルドに登録しよう。ポーションの実物はあるかい?名前はどうするかな。わかりやすく、下級ポーション良でいいか。』

「はい。」


商業ギルドの王宮担当に錬金局応接室へきてもらう。


『今回は、ポーション製造に関する特許の登録です。登録者はフィリスティア・リトラーゼ。錬金局長及び登録者が認めた者のみ作成、販売を許可する。王宮で販売した1割を10年間登録者へ還元する。

登録者が王宮、学園以外で作成、販売することを許可する。』


授業で作ったからどうなるのかと思っていたけど、私の作成する権利は守られる。学園在籍中の権利は決まっている。


『はい。効果も確認できました。その条件で登録いたします。』

『リトラーゼ公爵令嬢、この条件でよいか?』

「はい。入学時にも説明していただいていますし、大丈夫です。」

『では、それで頼む。リトラーゼ公爵に説明をしたいが予定を確認してもらえるか?』

「本日、在宅しております。局長の予定が大丈夫であればいかがでしょうか?」

『そうさせてもらおう。』

「では、先触れを出して参ります。」


局長とお父様で今後についての話し合った。


下級、中級ポーションで試したが、ほぼ失敗なく作れる。


王宮錬金術士に説明して、作成してもらったが、均等に魔力量を調整しながら、錬金するのは難しい。局長は、魔力量が多い為、中級は作れるが下級は作れない。


他の錬金術士に試してもらったが、作成できなかった。失敗すると、普通のポーションが出来る。必要な量の把握が難しく、説明も難しい。試行錯誤してもらうしかない。どう教育するか課題が残った。


ポーションの開発に没頭し、休みはキッドとアウロの森へ帰る。充実しながら日々を過ごす。


3年になっても変わることない日常だ。

誕生日が来たらデビュータントだ。お父様は張り切って準備をしている。ドレスはシャスの糸をキッドの髪色に染めたドレスだ。


デビュータントの数ヶ月前、キッドに仲介してもらい、お父様とお母様の弟は和解した。


デビュータントが終われば、卒業式だ。

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