アウロの森の公爵令嬢

第1話 アウロの森へ

ここは、アウロの森。物語から逃げ出した悪役令嬢の私、フリィアはシャインスパイダーのシャスとファイアハムスターのファハの3人で暮らしてる。



高校の卒業式の帰り道、合格祈願した神社の桜をみていた。疾風が吹き、目を閉じた。

ここは?小屋のようだ。なぜ?

手が小さい…金髪が見える。金髪???


そうだ。私はフリィスティア。

もしかして、悪役令嬢???確か物語では、屋敷で1人ぼっちを拗らせて、婚約者の王子に執着する。ワガママ放題の悪役令嬢は、勉強もろくにせず、散財し、ヒロインをイジメてた。国外追放されなかったのは、父が婿なので公爵は継げないから。悪役令嬢が継ぐ必要があり領地に閉じ込められる。王子とヒロインは結婚しハッピーエンド。その後の悪役令嬢はわからない。


婚約は確か6歳。まだ1年ある。悪役令嬢にさせられるつもりはない。帰ってこない父に愛されたいなんて思わないし、婚約者がいるのにヒロインを溺愛する王子なんていらない。


転生直前まで読んでたあの物語…のはず。後妻なんていなかったし、小屋に閉じ込められるなんてストーリーはない。


別荘で療養中の公爵家の一人娘の母がなくなり、父は帰ってこなくなった。代わりに愛人と娘を名乗る人間がやってきて、次々に使用人を解雇し、品のない使用人と入れ替わった。私のドレスや母の形見、部屋は取り上げられ、カギのある庭の小屋へ押し込められた。


小屋はカギがかけられてるけど、裏からでれる。小屋へ閉じ込められてすぐガタゴト音がしていて、音が止まったら簡易な出入り口ができていた。誰かがこっそり助けてくれてる。おかげで飢えずに生きれた。


なぜ物語と違うのかわからないけれど、この小屋から脱出しなくては。


ステータスを確認、定番のアイテムボックス、鑑定、隠蔽、結界、マップ、言語翻訳付。

魔法属性は、水と風。スキルにテイマーと錬金術と付与がある。


火は、ファハが出せるし、今後困るであろう服は、シャスが出す糸を加工すればいい。


当面の食料があれば、シャスとファハと山中でも生活できるはず。とっととこんなとこ脱出しよう。見つからないように色々用意しなきゃ。


生活に必要な魔道具があれば、この先助かるけど、バレる可能性がある。そういえば、メイドが壊れたものを置く倉庫があるって言ってた。壊れたものなら、多少もらってもバレない。


朝、メイドが廃棄寸前の食料を置いていったから、今日はここにはこない。

隠蔽で自分を隠せないかな??あ、できた。じゃ、このまま倉庫へ行こう。


倉庫はどこだろ?マップ表示!以外と近いな。さっさと行こう。カギは、かかってない。壊れものとはいえ、不用心だな。


父と母と産まれたばかりの私の肖像画のペンダントだけなんとか奪われずにすんだ。これは、もっていこう。


さあ、いい魔道具はあるかな〜

いらないものが大量の倉庫からいるものを見つけるのは時間もかかるし大変そう。どうしよ、マップでなんとかならないかな?必要な物だけ表示とか。あ、表示された。

結構あるな~全部集まってくれないかなぁ。


アイテムボックスにマップ表示された物を収納!やった!収納された。


何がしまわれたかわからないけど、なんとかなるだろう。さぁ、食料をもらってこんなとこでていこう。


結界を発動させながら、森を歩く。

見つからないとこまでいかないと。森の奥へ歩く。


5歳の歩みじゃなかなかすすまない。隠蔽し、結界を張り、食べれそうなものをマップで探しながら歩く。倒せそうな魔物は風魔法で倒して、魔法で解体して、アイテムボックスへ入れる。

寝るときはファハとシャスに見張りを頼む。追手はこない。あのメイド、愛人達に報告してないんだろうか?もう関係ない。アウロの森の奥へ、見つからない場所へ。


体感で2ケ月くらい歩いた。一際大きな木と清浄な気配。ここなら魔物もこないだろう。

この木にツリーハウスを作ろう。


公爵家からもってきた魔道具でなにかいいものはないかな。壊れてるから倉庫にあるのかと思えば、ただ魔力がなくなってるだけのものもある。わからなかったんだろうか?あのメイド達に感謝だ。


魔力がなくなったライトがたくさん。つかなくなったら買い替えてるのか?安いものでもないのに。

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