隔絶された夏の世界で。
音雪香林
第1話 部屋の中。
あたらしい薬が合わず、くらくらとする夏の昼間。
わたしはベッドの上によこたわり、まぶたを閉じて胎児のように丸まる。
暗闇はかすかに薄明るく、エアコンのぶぉんぶぉんという稼働音だけが響く。
ぶぉんぶぉん。
ぶぉんぶぉん。
ときどき温度の調節のためかぴたりと止まって静寂が訪れるが、またぶぉんぶぉん。
その繰り返し。
まるでループしているようなその時間。
わたしはだんだんとまどろみに落ちていく。
ずっと、ずっと、この箱の中が平和だったらいいのに。
おわり
隔絶された夏の世界で。 音雪香林 @yukinokaori
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。