第5話
(仲間と打ち合わせをするねずみ小僧)
そうかい、この一件あの女が手引きを・・・
そうじゃねぇかとは思っていたが、まさかな
あぁ、あの女とは昔、ちょっとな
ははは、なぁに昔の話さ
それにしても、十年ぶりに出会ってみりゃ
向こうは悪党、こっちは盗人
お互いろくでもねぇ人生だな
なぁに、心配しなくても大丈夫さ
それとこれとは別の話だからな
あぁ、許せねぇなぁ
誰であろうと、薄汚い野郎は許せねぇ
だがな、それ以上に許せねぇのは、俺の心さ
夢なんて疾う(とう)の昔に散っちまったっていうのに
まだ俺は何かを待ってたみたいだな
次郎吉の名前を名乗るとき全部捨てたつもりだったのによ
まったく、情けねぇ話だな
つくづく自分が嫌になっちまう
俺もまだまだだな・・・
さぁ、もう湿っぽい話はこれで辞めにしようじゃないか
そろそろ仕事の支度だ
手はずはいいな、抜かるんじゃねぇぞ
さぁ、ねずみ小僧参上と行こうじゃないか
完
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます