繰りカエサル運命
bbキャンセル君
第1話
暗い地下の玉座に座る人間は、言う
もうこの世界は飽きたと
「ダメです!もう少しもう少しですから!お願いですまだ生きていてください!」
いつもはクールな側近はこの時だけ、自分を忘れる
もう死にたいんだ、こんなつまらない世界にお別れを言いたい。
そう言えば、部下が悲しむ
だから大人しく椅子に座る業務をこなす。
「そうだ、じゃあ生きたい奴らにこの仕事を任せようじゃないか」
「といいますと?」
「国民に言え、重い病気にかかった者でも死が近い者にでも囁いてこい。
生かしてやると。私と状態を交換しようと」
「いけません!貴方しか!貴方しか出来ない事です。世界を統べられるのは!!」
カンっ
清々しい杖の金属の音
「大丈夫だ教えなくても、じきに覚える筈さ」
顔は見えない古代の女王が、杖の先にはどんな世界が映るのだろうか。
それを見ていた一人の少年が駆け込んで
「じゃあ僕を救ってよ王様!!僕は余命宣告されているんだ!」
「おい!此処は立ち入り禁止だぞ!クソガキ・・・」
側近は止めるが、女王は止まらない
笑って願いを叶えてやろうと零す
一同は何の冗談だ?
不快感に顔を歪ませる。
やめろやめろ
人柱が生まれてしまう。
彼女が一度目の足踏みをした瞬間
この異世界での時間が歪んだ。
私は自分の持っていたナイフで心臓を貫いて
誰もが囁くの、死にたがりは勝手に殺しとけ
違うこれは誰の声?
私じゃあないと否定したいなぁ
カランカラン
誰かの杖が玉座付近で落ちるが、持ち主が誰かは分からない。
息苦しい呼吸は、治った。これが普通だと感動しながら
心の奥底に己の使命が現われる。
玉座には誰もいない、僕がすべきことは・・・・。
側近は睨みながら、近くで膝まついた。
「王よ、貴方の人生をこの世界に賭けて貰いましょうか」
拍手の喝采がこの場に起きる
新たな時代に幕開けを願う。
この空気を忘れない、
死ぬかもしれないって言われてた現実を
僕は壊した。
手にした命を、大事に大事に持って、家に帰ろうとする。
男がそれを止め、重々しく語り出したのは
この世界ノ秘密、ずっと永遠を生きてきた王は
監禁を繰り返され、ずっと
だって・・・そっか。
悲しい思いが重くなり涙を流しながら、
死にたい死にたい思っても死ぬのが怖いなんて今更遅いんだ。
日に隠れて同じ道を辿りだしたノと同時に時も動き出す時の盤面。
死にたくなかった、からこの道を選んだの?自問自答ででない答えは
さよならできずに、家族にも会えずに孤独な王として成り下がった。
もし、家族と最後まで過ごして入れる道を選んで、囲まれて死んだ道もあり得たのか?
昔じゃあ思いつかない発想に人らしく呆れた。
生きたかった沢山笑って、嗅ぎつけた
デメリットを考える
時々見え隠れする心配そうな
人柱が生まれ落ちたんだって、気づかされてさ
超人的な能力に目覚めて、薄れていく僕自身が現王の証明になっている。
玉座に座って時を生き、見守る僕の下で、沢山の部下がひれ伏している。
長い年月を過ごして、呟いたのは
「 死にたい 」
「っ!!ダメです!もう少し!まだ生きていてください!死なれてはいけませんよ!王!」
何処かで見た事のある景色に辿り着く。
じゃあ僕も同じ未来に賭けてみたくなった。
「なら生きたい人に任せよう。今よりも生きたいを優先したいと願う者に謳ってきてよ」
これの繰り返しになるのだろうか?
「死にたがりは勝手に殺されとけばいいんだ!!」
叫びながら突如現われたのは、貧しそうな青年、ナイフを持って
強い殺意で此方を睨む。
部下達が彼を止める、姿を見て馬鹿だなぁと嗤う。
都合の良い生け贄が、やってきれくれたじゃないか。
「みいつけた、次は君の番だ」
王は解放を望んで人柱を増やす。
繰りカエサル運命 bbキャンセル君 @aiumi
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