自動販売機

Air

第1話

 とても暑い夏の日。外が無闇に暑いのでジュースを買った。どうやらあたり付きの自販機らしく、数字が揃えばもう一本って奴らしい。俺は、少し力を入れてボタンを押す。ボタンを押したのち、冷えたコーラが出て来て、数字が回り始めた。7.7.....7。揃ったのだ。俺は少し歓喜した。暑いので今度はゼリーの奴を選ぼうとした。しかし、横から手が出て来てその手はよくみるリンゴジュースを選択した。俺は一瞬の出来事に少し動揺した。しかし、横を見てみると小学生くらいの子供だ。なるほど、そういう訳か。その小学生は、自販機の下からリンゴジュースを取ると、一気に飲み始めた。その飲みっぷりは、気持ちの良いものでもあった。そして、その小学生は飲み終わると、こちらを向き「ペコリ」とお辞儀をすると走って何処かへ消えて行った。その後ろ姿を見て、ふと懐かしくなって来た。あの頃を思い出す。不思議と、ジュースを取られた事に対する怒りなどは全く無く、ノスタルジックな感情に浸っていた。そして、俺は下に置いてあるコーラーをその場で一気に飲み干し、そのまま帰宅したのであった。

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自動販売機 Air @yachirigi

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