【発熱】

入職してからあと少しで1ヶ月という段階で発熱に見舞われた。


4月最後の土曜日。

その日は休みだった。祝日のお陰で3連休取れる。

私は心底ホッとしていた。


あの、【いるだけで疲れるおもりがのしかかってくる空間】と離れられる。


それに、あともう少し出勤すればゴールデンウィークも迎える。


そんなことを考えていたら、急に喉が痛くなって体が熱くなった。


あれ?


熱を測ると37.5℃。


ゴールデンウィークまでにはもう少し出勤しなければならないのに。最悪。


その憤りとは裏腹に、ものすごい眠気に襲われた。


その日は何時間も眠り続けた。


この1ヶ月。睡眠時間に問題はなかったはずなのに。


8時間睡眠で解消できないほどの疲労が溜まっていたということか。


3連休2日目。

朝起きると熱は37.0℃まで下がっていた。

しかし、しばらく経つと38℃まで上昇した。


3連休明けは出勤できるのか?という不安とは裏腹にまた眠くなってきた。


そして、また何時間も眠り続けた。


3連休最終日。

なんとか36℃代まで下がった。


眠気とダルさは少し残っているけども、不思議と喉の痛みはひいた。


ゴールデンウィークまでの出勤日はだるさを我慢しながら、いるだけで疲れてしまうおもりののしかかる空間に居続けた。


やっと迎えられたゴールデンウィーク初日。


また喉の痛みがやってきたのだ。


え、まさかまた⁉︎


と驚いていると、体温はみるみるうちに上がり、その日のうちに38℃を超えた。


そして、また激しい眠気がやってきて何時間も眠り続けた。


この状態がずっと続いた。


楽しみだったゴールデンウィークが発熱で台無しになったのは言うまでもない。


しかし、なぜか連休最終日には平熱に戻り、喉の痛みも和らいだ。


そしてまた、いるだけで疲れるおもりののしかかる空間に身を置くのである。




この一連の発熱はある意味不思議な現象だった。


今思えば、これから起こる出来事への暗示だったのかもしれない。


なんて考えたりもする。

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