魅力の換金所

おさお

パパ活動



     初めに


 この作品は、作者が思っていることをさも論文のような感じで書いている「なんちゃって論文」です。適当を書いている訳ではありませんが、作者が素人なりに調べたものも多くあります。以下証言に何かしらのエビデンスを提示することはできません。一つのエンタメとしてお楽しみください。



     パパ活とは


 物価高騰やコロナ過などの影響か、肉眼でははっきり認識できないスピードで我々の生活は貧しくなっていると感じる。youtubeのおすすめに表示されている訳の分からないアカウントの「この中でほしいものは?」という小学4年生が昼休みにするようなアンケートにも、未来予知能力より百万円を選ぶ人が大勢いる。それだけお金に飢えている。


 お金の稼ぎ方は様々だが、その中でも私が注目しているのは「パパ活」だ。私の大学にもしてる人がいる。パパ活とは、男性が金品を譲渡することを条件に女性からその対価を受け取る行為のことだ。特に若い女性に人気のお金の稼ぎ方で、二十代に多く見られる。金品の相場は数万円~数十万円ほどで、中には数百万の案件もあったりする。対価というのは体の関係がほとんどだが、中には楽しく食事をすることやショッピングデートをただ楽しむなど、癒しを提供することもある。この行為に勤しんでる生物のことを「パパ活女子」と言う。


 このパパ活に関して作者の意見を言おう。「めちゃくちゃ羨ましい!!!!!」だ。全パパ活女子を敵に回してしまうかもしれないが、正直羨ましい。異性と食事やデート、体の関係を持つだけで時給数万円も稼げるなんて羨ましい。私は今大学生でアルバイトをしているが、月に稼げて十万円前後が限界だ。普通の社会人で時給数万円など、大企業の相当上の役職持ちおじさんレベルだ。とても羨ましい。


 だが、そんな大金を稼げるパパ活だが調べてみるとなかなか闇が深そうだ…



     yummyな闇


 こんなにも短期間で大金を稼げてしまうと、朝早く起きて満員電車に詰め込まれながら会社に行き、上司のご機嫌取り任務や取引先からの理不尽な罵倒、お局のよいしょよいしょ祭り実行委員、業務後の飲み会の先輩のお守り係など、死んだ魚の目まっしぐらの社会人たちは嫉妬の嵐だろう。


 だが安心してほしい。前述したとおりパパ活というものはかなり闇が深い。とてつもないリスクを背負わなければならない。ここからはその闇に関して深堀していこう。

 嫉妬民はきっと飯ウマ案件間違いなしだろう。もっと言えば、パパ活女子たちのほとんどが、そのリスクによって何を犠牲にしているか気づいていないのもとっておきのおかずだ。




【リスク①】 勘違いおばさんの完成

 

 リスクの一つ目は、「勘違いおばさんの完成」だ。これは、二十代にちやほや    されてきた女性が、三十代を超えても自分には二十代と同様の魅力があると勘違いしてしまい、周りから煙たがられる存在になってしまうことだ。二十代の頃に可愛いと言われまくり、皆が大金やブランド物を貢ぎまくった結果、過剰に自信がつき生まれるモンスターだ。皆様の周りにもいないだろうか、大して可愛くもないのに必要以上に大きな声で喋り、自分の自慢話、苦労話に花を咲かせている生物は。


 このリスクの厄介なところは、勘違いおばさんが完成した時点で外部からの矯正ができなくなってしまうことだ。このタイプの人間は、いわゆるお局と言われるポジションにつくことが多く、そのコミュニティの厄介な中心人物になる。お局に意見できるものは少なく、自己保身のために皆深く関わろうとしない。その結果、自分の厄介さ、醜さ、惨めさに気づかず余生を過ごすこととなる。




【リスク②】 身の危険


 リスクの二つ目は、「身の危険」だ。これは一番想像しやすいリスクである。シンプルに男性に襲われることだ。世の中には変な人がいっぱいいる。その変な人もお客さんにカウントしなければいけないのがパパ活だ。

 目に見える変な人ならまだいい。会ったと時に断る、トイレに行くと言って逃げる準備、覚悟ができる。

 

 だが、厄介なのは一般人の面をかぶった変な人だ。清潔感、話し方、立ち振る舞いの何を見ても普通の男性に見えるが、その根はかなり危険な思考を持った人もいる。その人が本性を現したとき、恐怖心や動揺でまともな判断、行動はできないだろう。


 防犯グッズを持っているから大丈夫といった意見がある。はっきり言ってなめている。有事の際に恐怖で動揺している女性とキマりきった男性、体格差の前では気休めにしかならない。ましてや、男性が格闘技やスポーツをやっていたら、女性が甲冑を着て西洋の騎士並みに武装をしないと勝ち目はないだろう。



【リスク③】 金銭感覚のバグ


 リスクの三つ目は、「金銭感覚のバグ」だ。宝くじが高額当選した人は、当選前よりも貧乏になるという話がある。これは、使っても使っても減らないお金を前に脳が一種の麻痺状態になり、生活レベルを上げまくり、豪遊を続けた結果、元ある貯金までも手を付けてしまいお終いということらしい。


 この話がパパ活にも当てはまると思う。苦労せず働かずとも大金が手に入り、二十代の平均年収を二、三カ月で稼ぐ。もちろん、収入に応じて生活レベルは上がり、やがて稼げなくなってきた時が見ものだ。生活レベルが下げれず、積もりに積もったプライドが邪魔をする。養ってくれる男性もおらず、今までまともな就業経験もない、詰みだ。こうなれば一番飯ウマ展開だろう。


 このリスクは本人の性格に依存すると思う。自分をしっかりコントロールできる芯太女ならこうなる可能性は少ないだろう。だが、承認欲求お化け女は期待通りおかずになる。



【リスク④】 多くの犠牲と劣等感


 リスクの四つ目は、「多くの犠牲と劣等感」だ。まず、お金を稼ぐということは犠牲がついてくると思う。会社員なら時間。起業をする人は環境。多くの犠牲を払ってお金を稼いでいる。多くのお金を稼ごうと思えばそれなりの犠牲が伴ってくる。犠牲ととるか投資ととるかは人それぞれだが、犠牲にしたものが大きくなって返ってこない場合、投資とは呼び難いだろう。


 パパ活での犠牲とは、自分自身であると考える。自分を商品として、好意もない異性とデートや体の関係を持つ。体に触れられる嫌悪感や、そもそもいつまで続けられるのか、止めた後のどうすればいいかなどの不安に駆られる。当然、心も病み心身共に疲弊していく。だが、金が欲しい、やめるわけにはいかない。心身共にキツい、だがお金が欲しいからやりたい。こういった複雑な矛盾が、やがて自分自身を変えてしまう。こうして気づかぬうちに自分自分を犠牲として払っている。


 このステージに来ると、次は劣等感が襲ってくる。その嫉妬妬み嫉みの矛先は色々なところに向き、とても大変で疲れるだろう。普通に会社に行っているOL、いつキラキラして見えるインフルエンサー、妊娠しました報告をSNSに上げている高校の同級生。ましてや、かつてパパ活仲間だった奴がいい人を見つけそのままゴールインなんてことがあれば、それこそ発狂モノだろう。

 自分のほうが辛い思いをしているのに、なんでふらふら生きているこいつ等のほうが幸せそうなのか、なんで自分がこんな目に合っているのか、このような勘違いから自分を認めてくれる存在を求め、ホス狂になるというわけだ。



 

 ここまで四つのリスクを説明したが、細かいところにはより多くのリスクがあると思う。これほど多くのリスクを背負わなければならないパパ活女子を、私はシンプルに尊敬している。お金のためにパパ活を選ぶその精神、どれだけ失っても折れかけで耐えている心、全てあっぱれだ。まぁ、パパ活を選んでいるのか、パパ活しか選べないのか、それは置いておこう…



     パパ活=水商売?


 パパ活について長々話してきたが、簡単に言えば自分の体を商品としてお客さんに金品をもらい癒しを与える仕事。ならば、キャバクラや風俗と同じなのではないか?と考える人もいるかもしれない。私は少し違うと思う。その理由を以下で語ろう。


 まず、キャバクラや風俗は水商売と呼ばれる。水商売とは、お客さんの人気に応じて利益が変わる不安定な商売で、利益の形が不安定であることが水の形に似ているところからきている。その枠はかなり大きく、飲食店や芸人、接客業も水商売と呼ばれる。

 

 商売ということは売る商品がある。この点はパパ活も同じだろう。だが、違う。わかりやすくキャバクラと比較していく。


 まず、お客さんは「お金」を払う、これは同じ。キャストは楽しい空間、癒しを提供する、これも似たようなもの。選ぶ権利は基本的にお客さんに有り、両者合意の下で契約が締結する、これも同じ。


 では、何が違うのか?それは、安全性、質が担保されているかどうかだ。高級キャバクラはキャストの容姿の端麗さや接客のレベルなど、その質の高さ故の高級なのだ。もちろん自己研鑽やスキルの進化のため努力しているだろう。そして、国に営業の許可が認められており、トラブルなる可能性も圧倒的に低い。


 パパ活はどうだろう。これからお遊びする女の子の質の保証はどこにあるのか。金額は言い値、SNSの写真も加工しすぎてもはや芸術、金銭トラブルや美人局、自分が犯罪者に仕立てられる可能性もあり安全性は皆無だ。


 このように、真っ当に商売をしている側とその場凌ぎの金脈ホリダー側とでは、プロとしての違いがある。キャバ嬢からしたら、自分を商品としているだけで同じにされたら嫌な気しかしないだろう。


 だが、お店に属しているからプロなのか?という疑問もある。その点の線引きはかなり難しく、前述したことは極端な話でしかない。パパ活女子が全員レベルが低い訳でもなく、高級キャバ嬢が全員レベルが高いわけでもない。なのでここで善悪を決めるつもりもない。ただ、例のキャバクラが正規品ならパパ活はコピー品ということを言いたいだけだ。本物にそっくりだけど違う、たまに本物を超えてくる、そういうことだ。



     これからどう生きる?


 今回はパパ活に関して作者の思い、考察をしてきたわけだが、私の結論は引き際を間違えなければセーフかと思う。どっぷりのめり込むと前述したリスクを冒す可能性が高くなる。後戻りできなくなり、再起不能になる。ただ、大学生のお小遣い稼ぎ程度で、これからの見通しが立っているなら効率的で良い稼ぎ方にもなる。


 どっぷりのめり込んでいるそこのパパ活女子に問いたい。これからどうするつもり?なにかあてはあるのか?その無駄にでかくなったプライドとズタズタになった心身で社会に復帰できるか?今まで一般的な苦労をしてこなかったのに社会でどう生きるのか?もうすぐ二十代後半?結構厳しくない?




    海外留学のパッキングの手が進まない今日この頃

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

魅力の換金所 おさお @Osao

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ