第4話

 ぼくは悩みがスッキリした時の高揚感で、軽いステップで洒落た店内に入ると、彼女は殊更に浮かない顔でパタパタとテーブル、厨房、テーブル、厨房、と行き来してしていた。


 時折、溜息を吐いたので、もう見てられなかった。

 あれ? どうしてなのだろう?

 最初はただのナンパのつもりだったのに?


 ぼくは中央のテーブルに着くと、彼女に注文をした。


「トマトジュースとナポリタン。後、スマイルを……ここはマックじゃないからダメかな?」


 彼女はさすがにプッと吹き出して、注文を受けると奥へと行ってしまった。

 ぼくは少しの笑顔だけでもいいんだ。

 さて、彼女の将来か……。


 しばらくすると、彼女が注文したトマトジュースとナポリタンをトレイに載せて来た。

 

 ぼくのテーブルに並べていると、急に深い溜息を吐いた。

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