脳内秒速1000キロの恋

主道 学

第1話 その悩みは……

 洒落たレストランの店内。


 今日は何故か人がごった返している。いつも通っているはずのぼくでも、注文をしたくてもなかなかできなかった。


 片隅に座るぼくは、その喧騒に比べればこの上なく静かな男に見えただろう。


 やっと、ぼくの席の近くを通った。いつものウエイトレスに声を掛けられた。


「あの、トマトサラダとペンネのボロネーゼを」

「あ、もう少々お待ちくださいね」

「それと、オレンジジュースと……」

「あのお客様。あちらのお客様のご注文がまだですので」

「…… 後、タイムください」

「もー、仕方ないわね! はい。ご注文は時間とトマトサラダにペンネのボロネーゼ。オレンジジュース。ご注文は以上で」


「少々お待ちくださいね! すぐに持ってきちゃいますね!」


 彼女はトレイを持って怒りだした。

 

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