ミステリー・ジェンダー・友情、数々の登場人物は複雑かつ密接に繋がっている。マルチな展開を見せつつも、それぞれの物語がやがて一つの方向へ集約する。各々の心情も細やかに描かれていて、思わず読み進める一作です。
読後に残る感想は、なにをおいても「正しく、優しく、そしてあきらかな愛情の物語でした」と言うことです。ひどい人たちがいます。その人たちが行ったひどいことに対して真っ当に怒ってくれる人たちがいます。それだけで救われる心があります。涙ぐみながら最後までたどり着いた先にまっていたのは、キャッチコピーのあたたかさでした。素晴らしい物語を、本当にありがとうございます。