習い事

心配性

お姉ちゃんだから我慢をしなきゃと常に思っている柚希ゆずき、小学生ながらも月謝を払ってもらっているからにはちゃんと休まずに行こう。せっかく習わしてもらっているのから、そうでなければパパやママに申し訳ないと考えていた。


そう考えている娘の柚希ゆずきに対してパパの和真かずま、ママの実夢みゆとしては考えが少し違っていた。


月謝を払っているから英語教室に行けとは言いたくない。あくまでも娘の柚希ゆずきの自主性に任せようとしていた。それにそこで別の学校の友達が出来るかも知れないし、それは決して悪いことではないとパパや和真かずまとママの実夢みゆの考えだった。


学校から少し離れた場所にある英語教室。毎回送って行こうかとママの実夢みゆ。だが、いつも自転車で行くから大丈夫だよ。だからママは萌夢もゆ光織みおりを泣かないかちゃんと見ていてね。


女の子は年齢よりませているという言葉を聞くが、親としては寂しい。もっとワガママを言って欲しいし、ママこれ買ってとかママこうしてと言って欲しいのになと思いつつ自転車にまたがって走り去る娘の柚希ゆずきの後ろ姿を眺めていた。


親バカだなと思いつつも車で英語教室に向かうママの実夢みゆ。当然、双子の萌夢もゆ光織みおりと共に鏡越しで様子を伺っていた。


家に帰ってきた娘の柚希ゆずきはアルファベットと英語の歌で書くことと英語の歌を教室にいる子たちと歌ったよと嬉しそうに話していた。晩御飯を食べ終わって学校の宿題と英語教室の宿題、両方やっていた。


英語教室に習っているから英語が他の子よりも分かるからとアドバンテージになるのか、英語の成績が上がるのかは娘の柚希ゆずき次第だが、それはあくまでも親の理想であってあまり求めすぎるとプレッシャーになると感じた。


初めは英語教室でも習う内容は難しくないから行こうという気になるが、これが回を重ねるうちに徐々に難しくなってきて行くのを辞めようと言い出したらどうしようとまだ娘の柚希ゆずきから何も言ってきていないうちから心配をしていた。


数週間、数ヶ月と娘の柚希ゆずきの様子を伺うママの実夢みゆ。いつもと何ら変わらず学校から帰ってきて自転車に乗って英語教室に行く。帰ってきて学校の宿題と英語教室の宿題を淡々とやっている。


梅雨が過ぎてもうすぐ夏休みになるという時に英語教室での状況を確認しようとしていたママの実夢みゆであった。


「ママ、柚希ゆずきの心配をしてくれるのは嬉しいけど、もっと信頼して。英語教室ではみんな仲良くやっていて特にショートカットの桃瀬凛華ももせりんかちゃんって子がいて、かわいくて優しくて英語も堪能たんのうなの。それもあって楽しくて今は辞めたくないかな」


話を聞いていると凛華りんかちゃんとはどうやら学校は違うもののお互いに顔を合わせるのも英語教室に行くモチベーションになっているようだ。


過去の自分を振り返っていたママの実夢みゆ、バレエが好きだからやっていたというのもあるが、柚那ゆずながいるからという気持ちと柚那ゆずなには負けたくないと切磋琢磨せっさたくましていたことを思い出す。


英語教室ではそういうことはないだろうけど、友達に会えるからっていう理由でも毎回通えばそれなりに英語が身につくだろうと思っていた。


他にも何か習い事したいのか気になっていた。

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