第22話 休息


 103: 名無しのダンチューバー

 みるるんの配信からきたけど、あの杉田って男なにものなの


 104: 名無しのダンチューバー

 世界最強の男


 105: 名無しのダンチューバー

 みるるんの配信やばかったな

 イレギュラーに襲われてた


 106: 名無しのダンチューバー

 杉田ナイスすぎた


 107: 名無しのダンチューバー

 親父ギャグかよ


 108: 名無しのダンチューバー

 でもマジで杉田こなかったら

 みるるん死んでたぞ


 109: 名無しのダンチューバー

 みるるんのファンとして、杉田にお礼いいたい


 110: 名無しのダンチューバー

 杉田は神


 111: 名無しのダンチューバー

 いやあのオッサンなにものだよ

 はじめてみたけどやばすぎる


 112: 名無しのダンチューバー

 チャンネル登録したわ


 113: 名無しのダンチューバー

 これはみるるんのとこからもいっぱいファン流れるなw


 114: 名無しのダンチューバー

 ファンになったわ


 115: 名無しのダンチューバー

 一気に有名人だな


 116: 名無しのダンチューバー

 は? 杉田はもともと有名だが?


 117: 名無しのダンチューバー

 今頃杉田知らんほうがもぐり


 118: 名無しのダンチューバー

 まあ1億再生の男だからな


 119: 名無しのダンチューバー

 でも不思議と杉田のチャンネルはまだ伸びないな


 120: 名無しのダンチューバー

 十分のびてるだろ


 121: 名無しのダンチューバー

 まあ、国のホームページのあれはな

 あれは国が宣伝もしてたからな


 122: 名無しのダンチューバー

 まだ杉田が独立したこと知らないやつ多そう


 123: 名無しのダンチューバー

 これからだろ、伸びるのは


 124: 名無しのダンチューバー

 もう街歩けないじゃん


 125: 名無しのダンチューバー

 つくづくいい人すぎるよな


 126: 名無しのダンチューバー

 みるるんからのお礼も断ったらしいな


 127: 名無しのダンチューバー

 みるるんともコラボしてほしいわ


 128: 名無しのダンチューバー

 もうチャンネル登録者50万人なってて草



 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆



 あれから、みるるんにはめちゃくちゃお礼を言われた。

 みるるんは俺にぜひお礼をしたいといってきたが、なにか物を受け取るのは気が引けるので断った。

 いちおう、お互いに連絡先を交換し、別れた。

 今度コラボしてくださいと言われたので、前向きに検討しますと答えた。

 倒れていた剛堂は、外で待機していたダンジョン救助隊の人に預けた。

 外で待機していたやつはちゃんと配信を見ていたらしく、俺の話をすんなり信じてくれたので助かった。


 例の【西本願寺ダンジョン】のイレギュラーについては、調査が入るとのことで、しばらく閉鎖されることとなった。

 それにしても、今日は疲れたな。

 今日はかなり戦ったし、さすがに疲れた。

 俺は、帰りに焼き肉屋に行って帰ることにした。

 一人で焼肉ってのもさみしいから、思い切って春日さんを誘ってみることにする。

 俺は春日さんに電話する。

 

「あ、春日さん。このあと夜、いっしょに焼肉でもどうですか? 俺がおごりますんで」

「焼肉? いいわねぇ。ありがたくごいっしょしようかしら」

「……っし! ありとうございます! じゃあ、6時に駅前で」


 俺は春日さんと一緒に、焼き肉屋へいくことになった。

 そして6時になり、待ち合わせの場所へ。


「春日さん。仕事帰りですか」

「そういう杉田くんは、ダンジョン帰りね?」

「えへへ……そうです」


 俺たちは焼き肉屋について、肉を焼き始める。

 

「配信のほう、順調みたいじゃない?」

「ええまあ、おかげさまで、チャンネル登録者は50万人になりましたよ。でも、まだお金が入ってくるのは先みたいなんで、今は貯金が減るばかりで……」

「じゃあ、今日は私がおごるわね」

「いや、そんなつもりじゃ。俺がおごりますから。俺におごらせてください」

「まあまあ、ここはひとつ、上司命令として、おごらせなさい」

「いやもう上司じゃないじゃないですか……」

「いいからいいから、配信がうまくいってるお祝いよ」

「……あ、ありとうございます」


 俺たちは、焼き肉を楽しんだ。

 お腹がすいていたのか、かなり箸がすすんだ。

 そして肉を食べ終わったころだった。

 呼んでもいないのに、店員がやってきた。


「あ、あの……ダンジョン配信者の杉田さんですよね……?」

「え……? ああ。そうですけど……」

「私、ファンなんです! 今いないんですけど店長もファンで。もしよかったらお店にサインとか置かせてもらえませんか?」

「サインですか……?」


 そんなことをいきなり言われても、俺は芸能人でもなんでもないし、サインなんか持っていないし、考えたこともなかった。

 まさか焼き肉屋の店員にまで顔を知られているなんて。


「いいじゃない。書いてあげなさいよ」

「でも俺サインとかないですし……」

「適当でいいのよそんなの。普通に書けばいいだけよ」

「それでいいなら……」

「ありがとうございます!」

 

 焼き肉屋に、俺のサインが飾られることとなった。

 なんだか恥ずかしいような嬉しいような、不思議な気持ちだ。


 そのあと、普通になにごともなく、お互いに家に帰った。

 またしても、春日さんとの進展はない俺だった。

 まあ、でもこっちから飯にさそったのは進歩なのか?

 職場以外で会ったのも初めてだし。

 うん、よくやってると思う……!

 そう信じよう。




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