キノコを食べたらレベルアップ?毒キノコかと思ったらレベルアップした件について。
神崎あら
第1話 毒キノコかと思ったら
「父さん、母さん、皆んな、今までありがとう」
ダンジョン第5階層、迷いの洞窟。
ここは幾重にも張り巡らされた地下道で形成されており、まさに迷宮。
そんなところで俺ことハルバートは飢え死に寸前だった。
「なにか、本当に何もないのか」
第5階層に入ったのは今から7日ほど前、持ってきた食料はとうに尽きてしまった。
くっそ、こんなことなら第4階層で引き返しておくんだった。
「ん?これは……」
もうダメかと思ったそのとき、目の前にキノコが生えていた。
そのキノコは笠の部分が紫色に加えてへんな模様も沢山ある。
うーんこれは食べたらダメだよなぁ。
でも3日ぶりのまともな食事だし、どうせ食べずに死ぬなら食べて死んでやる!
そう思った俺はキノコを引き抜いた。
「カプッ」
引き抜いたキノコをそのまま俺は丸齧りした。
食べてから気がついたが、せめて鍋とかで加熱してから食べれば良かったんじゃないか。
あー、もう遅いか。
「うーん、なんか意外と食べれるくね?」
見た目はアレだったが、食べてみるとコリコリとした食感がいい感じにハマる。
味とかはしないけど不味くはない。
これなら食べれるぞ。
そうして俺はあたりに生えてるキノコを根こそぎ食べていった。
「あー、食った食った、これだけ食べても特に腹も痛くないし、これは食べれるキノコだったんだな、ラッキー……ってあれなんか急に身体が重くなってきたぞ」
熱い、身体の中で溶けた鉛が血の代わりに巡ってるように熱い。
血管が破裂しそうだ、まずいこのままだと死ぬ。
水、とりあえず水が欲しい。
【おめでとうございます、レベルが100になりました】
「は?」
な、なんだ今のはレベル100?
いきなり頭の中に知らない女の人の声が響いた。
いやいやレベル100ってなんだよそれ、取り合えず水とか欲しいんだけど。
【おめでとうございます、レベル100ボーナスでレアスキルが10個解放されました】
レアスキルってなんだよ、つかそれよりも水くれ。
【現在、あなたには使用可能なレアスキルが10個あります、その中の万物創造を使いますか?】
「え、万物創造?使う、なんでもいいから使うよ」
【万物創造は、あらゆるものを作れる力となります、説明は以上です、あとはご自由にどうぞ】
そう言って声は聞こえなくなってしまった。
ええい、とりあえずやってみるか。
「万物創造解放!とりあえず水、つか泉を創造!」
俺がそう言って手をかざすとそこにあった地面か水が湧き出てきた。
「おおすげぇ」
そうして俺は出てきた水を掬って口へと運んだ。
「ぷはぁ、生き返るー!」
とりあえず熱は下がったみたいだけど、レベル100って一体なんなんだ?
俺はこのダンジョンに入る前はたしかレベル13くらいだったよな……。
「ステータスオン!」
《ハルバート、職業剣士、レベル100、保有スキルーレアスキル10個、スキル50個》
おいおいなんだよこれ、一体俺の身体に何が起きたんだ。
キノコを食べたらレベルアップ?毒キノコかと思ったらレベルアップした件について。 神崎あら @takemitsu
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