第2話 病院にて

宙と母は、集中治療室の前の待合室に座っていた。二人は静かに祈り、大気が無事であることを願っていた。待合室は静まり返り、時折聞こえる看護師の足音が、二人の不安を煽るようだった。


その頃、父は仕事で外国にいた。妻から大気の知らせを受け取った時、彼はただただ驚きと不安でいっぱいだった。彼は急いで荷物をまとめ、空港に向かった。飛行機の中では、彼はずっと窓の外を見つめていた。彼は心配で、不安で、何も手につかなかった。


母は隣に座る宙の方を向き、涙が止まらなかった。彼女のハンカチはすでに涙で使えなくなっていた。宙は母の赤くなった目頭の涙を自分のハンカチで拭い、それを母の右手に握らせた。そして、優しく母の肩に左手を添え、右手で母の背中を優しくさすった。宙は心配そうに母を見つめていた。

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