憧れのその果てには……。

 妄想劇場登場人物……


 数々の「名作」を手がけてきた業界大物プロデューサー……→プ・(50代)


 大手玩具メーカー役員……→役・(50代)


 業界の裏で絶大な権力を持つフィクサー……→フィ・(60代)


 テレビ局常務……→テ・(もうすぐ定年・その後社外取締役・60代)


 絵も描け、文章も書け、プロットも創れる業界内で「融通が利く」マルチクリエイター……→マ・(40代)


 脚本形式でお送りします。


 もちろん、架空の世界の架空の設定の、架空の人物による物語です。




 フィ:「んぁ〜腰いてぇ〜……んで、最近なんかオイシイ話ねぇの?また、ひと儲けしようぜ」


 プ:「それ、ゴルフのやり過ぎですよ……儲け話しですか?んまぁ、自分の中で温めてる企画はありますが……」


 マ:「それ、自分もかませて下さいよ……なんでもやりますから……」


 役:「玩具関係なら、ウチもよろしくお願いしますよ」


 テ:「放送枠とか足りないスポンサーは、私がなんとかしますよ……」


 フィ:「おぉ、レスポンス高くていいねぇ……んじゃよ、儲けが期待できる女の子向けのなんかやろ〜ぜ……魔法少女もんとか、プリキュアもんとか、美少女戦士もんとか……例えばよ、全中裏ぜんちゅううらに支配された中学校でただひとり邪悪な組織に戦いを挑む少女を主人公にした実写ものとか……」


 プ:「いやそれ、花のあすか組!ですから」


 フィ:「んじゃよ、ミッションスクールに通う女の子の正体は今、街をざわつかせている怪盗で、刑事の息子のクラスメイトとの淡い恋物語を絡めたアニメとか……」


 役:「あぁ、怪盗セイント・テールですねぇ……」


 フィ:「ん〜だめかぁ……んじゃよ、時は大正時代、男爵に母を弄ばれ、捨てられ、亡くなった母の仇をとろうとする、ドロドロ展開のドラマはどうよ……」


 テ:「ははっ、それ華の嵐ですねぇ……ウチでやったやつです……「ごきげんよう」……って流行りましたねぇ……ってか、少女ものでもなんでもないですけど……」


 フィ:「その前の愛の嵐も好きなんだけどなぁ……夏の嵐はちょっと欲張ったな……ん〜、やっぱり美少女戦士ものかぁ……実はオレんとこにいろんな芸能事務所からこの小中の女の子よろしくお願いしますって、やたら資料持ち込んできて、親の承諾はありますから、お好きなようにって……おっと危ねぇ危ねぇ……オレはお・と・なの女性が好みだから……ぶっちゃけ、困ってんのよ」


 役:「美少女戦士ものとかでもいいんですけど……ファンイベントが地獄絵図で……なにせ、むくつけき男達が推しの半被とかサイリウム振り回して、ホントにキャラに憧れてイベントに来たロリッ娘や親御さん達がドン引きしちゃって収拾がつかなくなるんですよねぇ……まぁ、ぶっちゃけ彼らがカネ落としてくれるんで儲かるんですけど」


 プ:「今は、コンプラとかテンプラ?とか、やりずらい時代になりましたからねぇ……よしっお前、全部丸投げするから、なんか考えろ!」


 マ:「マジっすかぁ……ホントにやっちゃっていいんすか?……これでのし上がれるんなら自分、頑張りますよ!」


 フィ:「おぅ、のし上がってこいっ……最近はお前みたいな血の気の多い若手がいねぇんだよなぁ〜……やっちゃえやっちゃえ……文句を言ってくる奴は、オレが抹殺してやっからよ!」


 マ:「いやぁ、フィクサーさんの後押しがあるなら心強いっす……頑張りますっ!」


 プ:「良かったな……これでお前のこの業界での地位も安泰だなっ……ところで今度、ひとラウンド久しぶりにどうですか?」


 フィ:「おぉ、いいねぇ……んじゃみんなでラウンドしようぜ」


 テ:「じゃぁ私、あの名門ゴルフコースにつてがあるので、貸し切りの方向で話つけますね……んでどうせなら泊まりにしましょう。高級ホテルも手配します……カネなんてどうにでもなりますから」


 役:「それじゃ、ウチの社で車用意します」


 プ:「オレのクラブのお下がりやるから、お前もこいよ」


 マ:「マジっすかぁ……んじゃ、よろしくお願いしますっ……」


 大手出版社キャドゥ〜キャワン専務:「遅れてすみません……ノベライズとかコミカライズや諸々はウチもお願いしますよ……(汗)」


 フィ:「んじゃ、ラウンドしながら詳細は詰めようぜ……キーワードは、美少女もの……」




 全員:『また、儲かっちゃうなぁ……』




 もう……おわかりですね。


 世の中の女の子達が憧れる、様々な美少女戦士アニメや実写ものの、そのコンセプトやキャラの性質等を「事実上」仕切っているのが……




『オッサン』だという事実……。


 あ・く・ま・で、架空の世界の架空の設定の、架空の人物による物語です。


 お忘れなきよう……。


 今回は、ここまで。


 あれっ?生きてました……。


 次回は……来週の更新になりますか……。


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 次作のモチベーションになります。

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