第348話 ◆動く闇2
◇◆◇ 11月26日 2:51 命謳ビル ◆◇◆
山井からの電話を受け取った
「えー? あ、山じーじゃん? 何? また
『――
受話器から聞こえる山井の気迫により、
「え……マジ?」
『この……戦闘音が……聞こえぬかっ!?』
山井の言葉通り、甲高い金属音、風切り音が
「わ、わかった! すぐに連絡するから!」
そう言って、
素早いフリック操作により、今あった事態を命謳のグループトークに投下する。
天使ちゃん――山じーピンチ御剣危ない伊達に電話
それだけを打ち、玖命に電話を掛ける。
その際、スマートフォンを出入口付近のテーブルに置き、スピーカーフォンにしてからその場を離れる。
電話が玖命に繋がる頃には、ほぼ全ての準備を終えていた。
『――伊達です、どうしました?』
「流石にグループトークは見られなかったよね。簡潔に言うから、しっかり聞いて」
たったそれだけで玖命は異常を察知した。
『はい』
「山じーの所に刺客が来た。多分、あの様子だと手一杯みたい。御剣ちゃんは私が回収するつもりだけど、戦闘なったら私無理だから、援軍よろしく。わかった?」
『……了解しました。すぐに水谷さんと川奈さんをそちらに向かわせます』
「何? 伊達は来ないの?」
『今、荒神さんから連絡が入りました。【
今度は
「…………マジ?」
『申し訳ありませんが、俺は【
「はぁ……了解」
そう言いながら、
左右の大腿部にハンドガンである【
両手にはライフル【
直後、
響く銃声。周囲に対して警告と警戒を知らせる
それは、正面にある天才派遣所にも届き、当然、命謳ビルの
七階から見える影に、
玖命によって錬度を上げ、【脚力SS】となった
◇◆◇ ◆◇◆
とはいえ、伊達の家は八王子……【天獄】は新宿にある。
第五段階の天才を降せる実力者とはいえ、かなりの時間を要する……はずだった。
「……かなり速くなったな」
そう、伊達は【天武会】を経てから、着実に訓練を重ねていた。
――【
(【討究】と【
玖命は、以前、玖命と川奈が調査課に
――天恵も面白い事しますね。実在する流派を名前に採用するんですから。
――はははは、その通りだ。だから我々は、天恵を与える者が……この世界のどこかにいると見ている。
(……天恵を与える存在。それがいるのかどうかはさておき、世界に超常的な何かが起こった謎は、天才や天恵の研究が進んだ今でも残るばかり。……いや、今はそんな事を考えている場合じゃない。御剣さんは無事だろうか。狙われているとしても黒幕はどうせ七海。ならば、御剣さんが傷つけられる心配は少ない……が、御剣さんの性格を考えると……やはり心配だ。たっくんと
【天獄】周辺に辿り着いた時、そこは、玖命が驚くべき事態へと
響くサイレン、稼働する天才たち……そして、地面に転がる死体。
(
「伊達!」
「あなたは――」
玖命にいち早く気付いたのは――、
「――
そう、山井拓人の実弟であり、天才派遣所情報部統括部長――山井意織である。
「一体何があったんですか……!?」
「奴ら、やりやがった……!」
「それは、どういう……?」
言いながら、玖命は目の端に再び映るモンスターの死体を見て気付く。
「も、もしかして……!?」
「あぁ、奴ら、【
それは、日本を揺るがす、大混乱の始まりだった。
◇◆◇ 後書き ◆◇◆
12月27日に『天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~』コミカライズ第一巻が発売されております!
続刊やモチベーションにも繋がりますので、是非よろしくお願い致します٩( ᐛ )( ᐖ )۶
それでは皆様、よいお年をっ!!!
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