天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~

壱弐参

プロローグ

 20XX年。

 その日、地球に異形なるモンスターが出現した。

 銃器では太刀打ち出来ず、世界が絶望の淵に立たされたその時、人は二つの存在、、、、、に分けられた。


 ――――持つ者と、持たざる者。


 眼前に現れたステータス画面は、まるでゲームのようだった。

 そこに書かれていたのは一つの天恵てんけい【固有能力】。

 天恵を持つ者は【天才】と呼ばれ、モンスターを倒す事の出来る天才も現れた。

 戦闘系、回復系、補助系、様々な天恵を持つ彼らは、やがて統括され、天才は皆【天才派遣所】の所属となった。


 天才派遣所には様々な人間が所属している。

 巨大な組織の中で、天才たちは区分けされていた。

 戦略的判断から天才の有用度をランクで区分し、天才派遣所への貢献度によってランクが決まる。

 Gから始まるランクは、最高ランクSSSまで設定され、S以上のランクを冠する天才は人類にとって大きな希望となった。


 しかし、空があれば大地があるように、天才の中にも天恵によって苦しんでいる者もいた。

 有用性を見出せない天恵は淘汰とうたされ、天才たちは勿論、一般人にまで見向きもされなかった。


伊達、、くん、お疲れ様」


 優しくそう声を掛けたのは、すらっとした細い身体をした女だった。黒いパンツルックに白いセーター。茶色い髪を後ろで束ね、切れ長の目と通った鼻筋、横長の縁をした眼鏡をかけ、胸元には首から下がったネームプレート。


相田あいださん……お、お疲れ様です……」


 背中を丸め、悲壮感漂う伊達という男に、相田あいだよしみはニコリと笑いかける。


「え、えっと……西寮の掃除……終わりました」


 手に持つバケツにはいくつかの掃除道具。


「いつもありがとね。で仕事が出来たらいいんだけど……」


 困り顔で笑った相田に、伊達は愛想笑いを返す。


「仕方ありませんよ……それが世界の答え、、、、、なんですから」


 天才が世界に現れてから約20年。

 天才は、一般人との決別を余儀なくされた。

 世界は、天才と共に生きる事を拒否したのだ。

 天才を恐れ、天恵を得た者は企業で雇う事も、起業する事も出来なくなった。

 法の下、国が天才を管理し、世界にあだなすモンスター討伐という仕事を天才たちに振る。


 しかし、当然、モンスターにすら勝てない……否、立ち向かう事すら出来ない天恵持ちもいる。

 天恵を操る事すら出来ず、天才にも一般人にも見向きされない男【伊達だて玖命きゅうめい】。

 これは、全ての天才を呑み込み、最強の道を歩む秀才の物語。






◆◆◆◆◆◆◆あとがき◆◆◆◆◆◆◆

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