快楽(虐)(性)
酒を飲んで欠片を一口飲む。これほどまでの快楽はない。この傷に染みる感覚がいいのだ。
欠片というものに味はなくただ単にその硬さを楽しむ。
テレビを見ると雛壇のあるバラエティがやっていた。ありきたり、昔のほうが面白かったという意見もあるがその通りだと思う。滅茶苦茶やって今はこの欠片のように味気がないし、この欠片とは違って噛み砕いた面白さもない。
ただあるのは人が苦しんで笑っている一部の人間だろう。
人間には三大欲求というものがある。食欲、睡眠欲、そして性欲。過去に馬鹿ほど寝て寝まくったこともあったが数日それを続けると虚しさだけが残った。女を抱いたこともあったが七、八回ほどまでだった。
人を殴ることも一回やれば快楽以上の罪悪感があったっけ。ただの人間を殴るよりも自分より上のやつを殴ったほうがいいのか。まぁ、怖気づくだろうが。
食欲ももうない。これも食べるのは腹を満たすためではない。
自分を傷つけるためだ。そうだろう。硝子の破片を食ったって食欲以上の痛みがある。
だが、それがまた良いものだ。血の味も良い、これだけ食って代償はないに等しいのだから。自分の体に価値なんてない、傷つける価値ぐらいしかないのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます