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HIROKI526

第1話 それは唐突に

─学校にて─


俺は小林太陽

高3の夏─

俺の高校バスケは終わった─

夏の総合体育大会 地区予選3回戦ー

毎年1回戦負け恒例のうちの高校にしては、まあ頑張ったほうだったのかもしれない。

でも、俺は悔しかった。

キャプテンとして、不甲斐なかった。

悔しくて男泣きした─


次の日、引退する俺達の代は、みなの前で挨拶をする。


俺「…えーと…ーであるからして…」


俺「…つまり、なにが言いたいかというとだな…」


彩「頑張れキャプテン笑」


俺「(彩〜…代わってくれよ〜)」


俺「…とまあ、今日からは君達の時代だ!」


俺「来年は全国大会行こうな!」


俺「みんな頑張れよ!!」


後輩達「はいっ!ありがとうございましたっ!」


彩「なんか、最後だけ強引にまとめたな笑」


次期キャプテンの任命、ユニフォーム引継ぎ─

みなの前で挨拶をすると、いよいよ引退の実感が湧いてくる。振り返ると、俺の高校3年間はバスケ一筋だった。


奈緒「太陽先輩!3年間お疲れ様でした!!

キャプテンありがとうございました!!

お世話になりましたっ!!」


そう言ってくれたのは奈緒ちゃん─

ひとつ下の2年生でマネージャー

来期からマネージャー代表となる


俺「おー!奈緒ちゃん!ありがとね!

不甲斐ないキャプテン支えて頂いて…笑

奈緒ちゃん、マネージャー代表頑張ってね」


奈緒「はいっ!彩先輩に負けないように頑張りますっ!!」


彩ーというは、奈緒のひとつ上─ 俺と同級生で同じマネージャー そして、俺の自慢の彼女だ。


俺「奈緒ちゃん、あと、あの子の事も頼むね(小声)」


奈緒「大丈夫ですよっ!まかせてくださいっ」


あの子というのは、1年生のマネージャー結衣ちゃん まだ入ったばかりで慣れないのか、人見知りなのか、なかなか皆と打ち解けられていない。


結衣「………」


俺「(最後まで、よくわからない子だったな)」


彩「奈緒ちゃんなら大丈夫!頑張ってね!時々、遊びに来るね!」


奈緒「はいっ!彩先輩も、ありがとうございましたっ!」


彩「それじゃー、そろそろ帰ろっか。太陽くん」


俺「だな!それじゃ、みんな頑張ってなー!!」


後輩達「はいっ!はいっ!ありがとうございましたっ!お疲れ様でした!」


俺は彩と帰路に着く

ひさしぶりに2人でゆっくり外でご飯を食べて、

帰宅したのは20時30分ほどだった


◇◇◇◇◇


─太陽宅─


俺「あー疲れたな。ああいう、みんなの前で喋るのはどうも慣れん… それにしても、明日からどうするかー すぐにやりたい事もないし、

みんな大学行くし、俺も大学かな〜」


バスケ一筋だった俺は、まだ今後の事をあまり考えてはいなかった ベットで横になり、スマホをいじりながら、そんな事を考えていた頃、

スマホに着信が入る


俺「…ん? 奈緒ちゃん…? もしもーし!」


奈緒「…あ…太陽先輩…夜にすみません…」


俺「おお、全然大丈夫だよ!どうした?」


奈緒「…あの…彩先輩の事で気になる事があって… 先輩、今、彩先輩と一緒ですか…?」


俺「いや、さっきまで一緒だったけど、もう帰ってきたとこ。どうした?」


奈緒「先に、彩先輩に尋ねたほうがいいのか迷ったんですけど… とりあえず写メ送るので観てもらえますか?」


俺「ん?おお、いいけど…」


奈緒から届いた写真─

それは、書込みサイトのようなところに写った彩の顔写真と、彩が書込んだ物と見せる文章だった…

しかし、明らかに彩が書き込んだものではなかなった─

内容は目を疑うものだった─


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


こんにちわ☆ 3ーA 吉川彩だよ☆

特徴 演技派 ドM

めちゃくちゃのぐっちゃぐちゃにされたい願望ありです☆

1人でも❤️集団でも❤️

暗い茂みで抑えつけられて…

拘束されて…

服破られちゃったりして…

想像するだけで興奮しちゃうな❤️

あたし、いっぱいイヤがるフリするね❤️

そのほうが襲われてる感でるかなーって❤️

演技派なので笑

でも演技だから安心して続けてね❤️

NGプレイなし❤️

フルオプションで笑

7/23 21時 〇〇公園

ブランコ近くのベンチで待ってます❤️

どんなドSのお兄さんが来てくれるか楽しみ


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


俺「…なっ…」


俺「…なんだよ…コレ…」


俺「…23日の21時って…、今日もうすぐじゃんか!」


奈緒「これって…やっぱり彩先輩書き込んだものじゃ…ない…ですよね…?」


俺「あたり前だろ!!!」


奈緒「…あっ…ごめんなさぃっ…」


俺「…あ…ごめん、あたるような言い方しちゃって… 俺、今彩に連絡してみるよ。

教えてくれて、ありがとう」


奈緒「はいっ。落ち着いた時でいいので、あたしにもどうだったか教えてください」


俺「もちろん。また電話する!」


彩に電話をかけるー

20:56… もう書込みにあった21時になる─

─頼む─どうか間違いであってくれ─


彩「…もしもーし?」


俺「!彩!よかった!繋がった!大丈夫か?」


彩「太陽くん、どうしたの? 大丈夫って?」


俺「彩!今どこにいる?!」


彩「え? うちの近くの〇〇公園ってとこだけど」


俺「───え?───」


───なんで…?───


───〇〇公園───


───あの書込みの公園───




俺「─ 彩? 今周りに人いるか?」


彩「ううん、誰も。公園のベンチに座ってるの」


俺「──ブランコの近くの…?─」


彩「おおっ!そうだよー!!ビックリしたぁ!!なんでわかったの??」


俺「──彩!説明は後だ!今すぐそこから離れて人のいるとこ行くんだ!!」


彩「えっ?いや、待って待って。どうしたの?」


俺「いいから離れろって!!!」


彩「うーん、でも、なんかね───────」




───通話が途切れた───

───時刻は21時になったところだった───




俺「───彩?───」


俺「おい!彩っ!! …っ…切れてる…」



─何度かけ直すも、彩からの応答はなかった─


俺「─うそだろ? まさか本当に…?─ 〇〇公園? 彩の家の近くじゃ、自転車でどんなに急いでも40分近くかかる─

警察に連絡するか?─ どうしたら────」


太陽のスマホに着信が入る─


俺「彩!!」


着信は奈緒からだった…


奈緒「─先輩、彩先輩がぁっ。彩先輩がぁっ…ぅぅっ…」


俺「───え?───」


俺は飛び出した─


まだ何が起きたのかもしっかりと聞いてなかったが、体が先に動いた─


道中、奈緒は電話越しに話してくれた─

彩の書込みがあったサイトの事─

それを閲覧でき、投稿できるのは、うちの生徒に限られてる事─

閲覧状況や投稿状況、ログイン状況はすべて管理者に把握されているという事─

俺が1人で現地に行ってもどうにもならない事も─

そうは言われても、家でじっとしてるなんてできなかった─

俺は全力で自転車を漕ぎ、〇〇公園に向かった。


そのサイトがどんなものなのか─

何故、奈緒はそんなサイトを覗いていたのか─

そんなものの確認は後でいい─

なにがなんだかわからないが、彩が襲われてしまっているー

とにかく今は最速で彩のもとへ───────



ガシャンッ!!!!────────────



カーブで見えなかった───────────



当たったのは、車? バイク?───────



目の前に大破した自転車が見える──────



と同時に意識を失ってしまったのだろうか──



気が着いたのは、次の日の朝────────



病院のベットだった────────────










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