なんまらめんこい二重人格な幼馴染が朝と夜に分かれて俺を取り合いっこしてくる。〜わたしとあたしのどっちがいい?〜

藍坂イツキ

その1①「なして……君はなんまら頑張ってるよ?」

「」:ヒロインの言葉

():主人公の言葉(設定上わかりやすく入れたりしている場所があります。音声化に至ってはなくても大丈夫なようにしています)

地の文:状況の説明


G‘sこえけんに参加する作品ですので主に台詞メインで、ASMRボイスを意識しているのでそこをどうか理解してお楽しみください!

一話1000文字程度です!

ほぼ毎日投稿です!



読者投票もあるので、少しでもボイスが効きたいなと思ったら☆評価、応援、コメントよろしくお願いします!





☆☆☆




 ある休日の朝、僕がベッドの上で目を覚ますと何やら下の階から音がしてきた。

 普段なら誰もいない日。

 友達を読んで遊んだりしているわけでもないし、昨日は大学で夜までバイトだった。


 誰かを連れ込んだ記憶なんてない。

 少し焦りながらも、下の階に降りていく。リビングの扉を開けて、音のするキッチンの方へ。


 すると、そこにいたのは僕の幼馴染、藻岩紗那もいわさなだった。


「ん、あぁ~~もう起きたのぉ? こんな早く起きなくて大丈夫なのにっ。今日何か予定あったっけ?」


 歩きながらダイニングキッチンに近づく僕。

 すると、支度の手を止めて振り返る紗那さな


 煌びやかに舞う綺麗な黒髪に、優しさ溢れる美しい瞳。

 雑誌で見るようなモデルや女優なんか比にはならないほどな清楚可憐な容姿に身を包んだ、一年生にして大学では人気者の美少女だ。


「用事ないじゃん。なして、起きてるのぉ。こんな早く起きたらぜんぜん、休まらんしょやぁ」


 紗那さなは心配しながら、ぐっと身を寄せて肩に手を置いた。

 柔らかく、いい匂いがする。


(結構寝たし、休まったって。俺も手伝うよ)


「いやいや、昨日寝たのちょっきり深夜0時って知ってるよ、わたし?」


(だけど、休まったよ。大したことないってこのくらい)


「え、こんなの大したことないって? そんなことないしょぉ。 君はいっつも、なんまらけっぱってるよぉ? 毎日満員電車乗って、夕方にはへとへとになって帰ってきて、いっつも見てるし、知ってるもん。むしろ、わたし以上に知っている人はいないって!」


(それはそうだけど……僕よりも、紗那さなの方が頑張ってるよ)


「っな、なんでもないよぉ。私はほら、毎日だし、こんなのむったりだもん」


(それじゃあこっちもむったりだよ?)


「むぅ。それはずるいしょやぁ。ほんと、いじわるっ!」


 むすっと顔をしかめる紗那さな


「いいから、とにかく。君はソファーにねまって待っててくれればいいの。それに、私の手伝いして疲れたら本末転倒だよ?」


(まぁ、そこまで言うなら)


「そうそう。わたしの言ってる通りにしてくれればいいんだからぁ。ほらほらぁ、むにむにむにぃ~~」


 むにむにと僕の頬をいじってくる。


「こしょばし? これがお姉さんの威厳ってやつだからねぇ~~」


 ニヤニヤ笑いながらいじめてくる紗那さなに対して、僕は指をさす。

 すると、煙が上がりかけて焦げている目玉焼きが。


(焦げてるよ、お姉さん)


「んっ、あぁ! やばぁ! なしてこうなったぁ!」


(っふふ)

 抑えきれなくなって笑い始める僕。

 それに対して、ムスッとしながら涙目を浮かべる。


 うるうるとした綺麗な瞳がちょっとかわいそうだったけど、それ以上に面白かった。


「わ、私はお姉さんだもんっ。ば、馬鹿にするなぁ。んもぉ、君のくせに!」


 ぽこぽこと腕を振り回しながら殴ってくる。


「わ、分かってるし。言われなくても分かってるんだからねぇ~~」


(ドジ)


「ど、ドジじゃない! たまたま、これがたまたまなんだから! べ、別に……買い物しに行く時にこけたことも、小さい子を迷子センターに連れて行こうとして迷子になったことだって……全部、違うし」


(自分で言ってるじゃん)


 気づいて、すぐさま口を押える。

 真っ赤になった顔がこれまた純粋そうで可愛らしいのがちょっとずるい。


「——はっ!!」


 笑みを浮かべる僕。

 真っ赤になる紗那さな


「っ……うぅ、ばぁか。こまいこと言うなしぃ……君の馬鹿ぁ」



☆☆☆

次回に続く

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