第17話 逢魔が時の白頭巾たち
空が
各家庭の
――別に隠さなければいけない決まりは無いのだが、心中の
各家庭の
すると同じように三角形の頭巾をかぶった
白い頭巾の集団は一人、また一人と参加者を増やし続け、行列をなして教会に集まっていく。
誰一人として口をきかない。
皆どこか
彼らはこれから
心からやりたいと思っている町人などまず居ないだろう。
本当に必要なことだと信じている町人ですら、はたしてどれほど居るのやら。
できればやりたくない。
だがはるかな昔からこの町で行われてきた重要な儀式だから、仕方なく参加しなくてはいけない。
参加しないような
それは次回の生贄に選ばれることを意味した。
だがその一方で、
そういう人間は危険人物あつかいされて、
いつもの日常に戻ってきた時、殺人を楽しむような人物が愛されるはずもないのだ。
今日これから始まる生贄の儀式は、そういう非日常でありながら日常と無関係でもないという、とても
だから住人たちは
実は親しい
親しい仲間の体格、服装、歩き方。そんなものは
だがそれでも町人たちは頭巾をかぶって自分を誤魔化す。
知り合いに出会っても他人のふりをして誤魔化す。
白い三角形の頭巾をかぶるという行為は、彼らが日常と非日常を行ったり来たりするためにどうしても必要な『
「なんだあの気持ち悪い連中は……」
「いよいよ始まるようですね」
デニスがぼやき、オスカーが厳しい表情で道行く
ギリギリ教会周辺が視認できるくらいに遠く離れた位置から、エリーゼたち三人は町人たちの不気味な集団行動を観察していた。
あの三角頭巾の気持ち悪い集団の中に、エレノア婆さんは混ざっていない。
今はエリーゼたちの馬車で旅の荷物と一緒に待機中である。
「やれやれ、あの婆さんがいなかったら今回は見送るしかなかったかもしれんなあ」
デニスがハンカチで
この偵察場所しかり、儀式の流れしかり、外部の人間たちには知る方法もないことばかりであった。
・教会の地下
・山の中腹にある祭壇で空の神に祈る
・最後に
こんな三段階もある
エリーゼたちが考えたアンナマリー救出作戦とは、ズバリ『待ち伏せ』である。
地の神とやらに捧げる儀式終了の後、敵の一行は地上へ出てアンナマリーを山へ運び始める。
そこを
こんな事は町を知り尽くしている協力者がいなければ
その点、いいタイミングで協力者を得られた三人の王国騎士たちは幸運であったといえる。
「では行きましょうか」
エリーゼは先頭に立って走りはじめる。
一見これまでと同じ旅行用のドレス姿だが、実はワンサイズ大きい。
さらによく観察すると足元に
靴は
その上にチラッと見えているのは白い生足でもストッキングでもなく、男物のズボンであった。
内側に動きやすい服を着こんでいる。これが彼流の戦闘準備だった。
「この世に悪が
美しい顔をゆがめて
スカートが
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