ラーメン大好き小泉さん
私の名前は
さてどうして私と小泉さんが二人でラーメン屋に来ているかと言うと、あれは試食会の後お泊りをすることになり4人で相沢さんの部屋でお話をしていた時の事。
『あー最近新しいラーメン屋で来たらしいよ小泉ラーメン好きって言ってなかったっけ?此処こってり系専門みたいだし相沢ちゃんと行ってみたら?』
『あ、ごめん私あっさりが好きなんだよね。由香里が行きたいなら楽しんで来て』
『え、私は美波ちゃんのとろとろこってりスープが大好物なんだけどなぁ』
『由香里…そういう発言は二人の時にして!』
『ふふふ、美波ちゃんの申し出なら仕方ない。それでラーメンの話だっけ?私一人で行くのもいいけど誰かと行きたいな…一緒に行ける人居る?』
『ごめん小泉私もあっさり派だわ』
『私は大丈夫ですよ小泉さん』
『ほんと!?じゃあ今度一緒に行こうねー』
まぁそんな感じで行くことになったけど、あの時の相沢さんの小泉さんを見つめる眼が鋭かったのは小泉さんには内緒だ。花崎さんもそれ見て顔引きつらせてたし。
改めて思うけど私と小泉さんの接点は相沢さんだよね、本人が居ない状況で楽しく話せるのかな?心配になってきた。でも相沢さんの話題でも振ってれば機嫌よくなりそうだし、昨日の事も気になるし聞いてみてもいいかも。
「小泉さんは相沢さんとはラーメン一緒に食べに行かないんですか?」
「んー、美波ちゃんとは…行った事無いかも。普段食べてるのは健康重視で作ってくれてるし、外食もしないからね。だって家に帰ったら美波ちゃんがエプロン姿でおかえりって言ってもらえるんだよ!?外食なんて選択肢あるはずないよ!」
勝手に一人で盛り上がってる小泉さんを見て少し引いてしまう。相沢さんの話題になると小泉さんの目が変わるよなぁ。
まだ注文したラーメンが来るまで時間がありそうなので小泉さんとこの際だから仲良くなっておきたい。普段見せない相沢さんの素顔とか気になるし。
「相沢さんと普段は何してるんですか?二人の時とか」
「二人の時は、行くところまでは行くかな?昨日の夜も楽しかったし」
「あ、もうそっちからその話するんですね」
「あれもしかして聞こえてた?まぁ昨日の美波ちゃんはいつもの2、3倍は声出てたからね、聞こえてても仕方ないような…あっこれ言っちゃいけないやつだったかも」
「いやまぁもう聞いちゃいましたし大丈夫ですよ、てか普段からヤりまくってるんですね。頻度とかってどれくらいなんです?週3とかですか?」
「日5、6回かな。それ以上することもあるけど…美波ちゃんの体力的にね」
「え?…。週じゃなくてですか?」
私の聞き間違えかなと思い聞き返すが、普通でしょ?みたいな顔で頷いている小泉さん。相沢さんたまに身体が…痛いって言ってたけどそれが原因だったのか…これ以上聞くのは相沢さんの為にもやめておいた方がいいかもしれない。けど、小泉さんは話したそうにこっちを見てるんだよなぁ、秘密の共有者を見つけた子供みたいに。
そんな二人のプライベートな話をしていると注文していたラーメンが目の前に置かれた。私はこういうお店に来るのが初めてだという事を伝えると小泉さんのおすすめで濃厚スープのこってり豚骨に煮卵トッピングをしたものになった。
小泉さんはよくわからない呪文を唱えていたので何が来るのか不思議だったけど、来たラーメンを見て驚いたね。
小泉さんのラーメンはドロドロのスープに背油で麵が見えないくらいで器の端もぎっとぎと。大き目のチャーシューを別で注文していたりするから慣れてるのかな?
私は本格的なラーメン屋は来たことないからその道に詳しい人がいるならまた今度も行きたいかも。
「それじゃ、食べよっか。いただきます」
「あ、はい。いただきます」
こういうお店に慣れていないのがバレバレだけれども、とりあえずスープから。
「ん!美味しい、濃厚って書いてたから絡みついてくる感じかと思ったけど案外食べやすいかも」
「ふふ、こういうお店に初めて来る人は変にカスタマイズせずにそのままのラーメンにトッピングくらいが丁度いいからね。自分のお腹とも相談しながら考えないと体に合わなかったときは地獄だからね。私も――」
と小泉さんのラーメンの失敗談を聞きながら麺を啜っていた。ラーメンが美味しくてあまり話を聞いていなかったけど、もともと小泉さんも話がしたかったらしく麺の硬めを注文していたらしい、何と勉強になる。
そんなラーメン大好き小泉さんとの楽しい昼食を終えた後は「楽しかった!また行こうねー!」と次の約束をし連絡先を交換したのだった。
次は相沢さんと花崎さん一緒に行けたら良いなと思う才川瑠美なのでした。
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