もし声が聞けたなら
星之瞳
第1話全員集合!
「キャー!何この突然の大雨!」
「大丈夫、主様が来てくれたわ」
「運んでくれてる、あ!ベランダの下。え!いっぱいいるね」
「コムラサキちゃんこんなところにいたの!」
「ええ、枝が広がり過ぎたからって、椿ちゃんたちも元気だった?」
「元気よ、でも根元に生えている草がちょっとうざいけど」
ここはある民家の庭。ここの家主は娘と伴に色々な花を庭に植えたり鉢植えにしたりしていた。ベランダの下にほとんど置かれているのだが、何故か3つの椿だけは別の所に置かれていて、急な雨で慌てて避難させたようだ。
「それにしてもたくさん、あれ?その白い花の人は見たことあるような?」
「私は『アナベル』紫陽花の仲間よ。貴方たちが来た時は幹しかなかったからお話しするのは初めてかしら?私前の家から連れてこられたの。暫く庭の植木の所に置かれていたから見知っていたのかもね」
「そうなんだ、えっとほかの方も自己紹介してもらえるかな」
「私は紫陽花の仲間。鉢植えでお嬢様に買われてきたの。ところが名前が付いていなくて主様たちは『ユーミー』って呼んでるわ。紫陽花のユーミーシリーズに容姿が似ているからだって」
「私はヤマアジサイの『海峡』お嬢様がポット苗で買ってきてくれたの」
「私は菊の仲間の『寒菊』お正月ごろに花を咲かせるの」
「私は宿根ひまわりの『ロドンゴールド』ここに来てから雨続きでちょっと苦しい」
「私は松葉ボタンの『リトルマーメード』って言います。私も夏に花を咲かせる種だからこの雨は苦手」
「えっと、なんか、枝だけの子もいるんだけどなんで?」
「この子達は主様が切り花を買ってきて、刺したのと、私の花が咲き終わって剪定したところを刺したのよ、紫陽花は枝を刺すと葉と根が出て増えるから」とユーミー。
「それに球根も植えてあって色々花咲かせてる。風が強いのか倒れているものもいるけど。私と一緒に連れてこられた子もいるし、種まきしてたりいろいろやってるよね」とアナベル。
「ね、雨が止む前に、椿ちゃんたちのこと聞きたいな。今まで会えなかったし早くからいるんでしょ」と海峡
「そうね、私たちが来たのはまだ寒い時期だったものね。その次にコムラサキちゃんが来たから。そうねその頃の話をしましょうか」
椿たちはそう言うと話し始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます