閑話 魔導車教習
魔導車教習
~~~マリィ
アテナ魔法学園、改造された校庭
窓越しに前方をしっかり見ながら、横目にミラーでイレイザの運転する魔導車がみえる。
皆で一列に並んで運転だ!危ないとシールド氏がアイギスの盾で保護してくれる。
シートに座りながら、ハンドルを握る。
シートには枕が無く、ハンドルは円形だ。
ダッシュボートには速度計と魔力計がついていて、キロとかの概念がないから、速度計は桁が多くて目が滑る。
そのうち改善か調整が必要だ。
魔力計は常に隣の人が補充しているのか、満タンから動かない。
ハンドルで左右に操作して、足元のペダルのアクセルで前進、ブレーキで停車、バックで後退だ!ライトなんかついちゃったりして、マジで車だ!文明!文明キタコレ! 座って動けるの魔導車って楽だな! 高級車なのか何だか冷房みたいな機能で涼しいし! バックのペダルは意味不明だけど、ギアとかないって事かな? これ買っちゃうよ!?おいくらなの?何ならすぐに買ってここに暮らしたいんだけど!
「この魔導車っていくらくらい何ですか?」
教習役のシールド氏に聞く、皆の教習を請け負ってくれたのだ。
「この空気温度管理システムに目を付けたんだ? お目が高いんだ。」
シールド氏がニコニコ笑うと、席の近くにあるつまみを回したら暖かい空気も出てきた!エアコンだこれ!!!
幸せな顔でブレーキで止まっていると、何やら依頼の予告をしてくる。
「この前に話をしたウォータードラゴンパピーの件だけど急遽、魔法科の子たちがレベルアップを求めて応募してきたんだ。」
できれば対応してあげてほしいんだ、とシールド氏は言うけれど。
「その人たちって、アリスと違ってレベルアップ時にたくさん魔力が上がっちゃう人たちですよね? 破裂しませんか? 何も責任取れないんですけれど…」
破裂する人は見たくないので、確認を取っておく。
シールド氏が指を曲げると、壁を登り始めていたイレイザの魔導車が、やさしく壁に包まれて道路相当の所に戻されている。
「大丈夫なんだ。 優秀な子たちだから、君のクラスの子たちみたいに連続でレベルアップしなければ大丈夫なんだ。」
なるほど、あとは私の忍耐と集中の問題ということで…これは!
「やります!」
シールド氏がにこりと笑う。
「1レベル上げてくれれば良いからね!なにか要望されても私の名前を出して断ってもいい、この車は報酬の先払いとして乗って帰っても良いんだ!」
そのあとはニコニコ上機嫌にクランク走行をしながら他のクラスメイトの様子を見ていた。
イレイザは次々にクランクを乗り越えて、セルフダカールを開催していて、アリスはすいすいと進んでて、ガリアは真剣に慎重に進んでる。
フレイはゆっくりと進んでいて、バレットは少しタイヤが乗り上げた。
S字クランクの遠心感?に体を傾けたり。
イレイザはなぜかドリフトで通り抜けた、何かの適性があるのか?他はゆっくりとだけど確実に出来ていた。
坂道発進で、坂の先を警戒したり。
イレイザは坂から飛び立って、ガードレールに捕まえてもらっていた、他は慣れてきたのか安定した。
何だかイレイザだけ怪しげだけど、皆で魔導車免許をもらってきた。イレイザだけは街外限定だ、あの様子だと、仕方ないと思う。
校庭でそのまま、免許を交付されて解散だ。
私はもらった車を自慢したりした。
先払いでもらった車を運転しながら思うのは、なんにもルール知らないけど大丈夫かって事だ。
…
とりあえず、自動車の乗り方をしておけば平気なはず、ゴールド免許だったんだよ!
発火器が胸元でピカピカしているけど
今は、もうどうにもならない。
お店で書籍を買おう!駐車場どうしようかな、お店の裏に止めても良いのかな?
[確認]魔導車_鉄製_移動の補助_[気温調節機能]
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