閑話 祭りの報酬の話
祭りの報酬の話
~~~アリス
特別教室
教卓の上で、今回の秋の撃墜祭りでもらった報酬を発表する。
皆の目が生暖かく感じるのは気のせいにします!扉からの視線も!
「渡された報酬一覧を黒板に書き写しますわ!」
報酬一覧
A賞 アイギスの肩当て:アイギスの盾のサブシステムを真似たんだ!
B賞 魔導鎧用合金製掩体:持ち運びのできる掩体なんだ!力技なんだ…
C賞 アームキャノンの弾薬:これさえあればダンジョンなんて楽勝なんだ!
参加証:普通魔導車教習:乗れた方が便利!飛ぶこと自体禁止の所もあるんだ…
「あたしってばお役御免?」
即座にカルラの顔が強張るけど…
「普通とありますわ、運搬車や大型車は乗れないのではなくて?」
皆の顔を見渡して、A賞について説明する。
「A賞は最近開発されたものですわ。 誘導弾の制御や、魔法の妨害が出来ますわ」
一部の生徒が驚愕する。
「そうですわ!アイギスの盾の一部の機能ですが真似ることに成功したんです!」
ドッと教室で拍手が起こる。
よくわかっていなさそうなマリィ、バレット、イレイザにフレアも周りに合わせて拍手しているのを見て、ドアの隙間からおじいさまがとてもニヤニヤしてますわ。
務めて無視して、B賞の説明に移る。
「B賞は魔導鎧の防御用装備です。 堅実にダンジョンでも役立ちますわ」
おじいさまがドアの隙間でA賞の説明もっとしないのという顔をしてますね…
C賞は…
「C賞の関係で、魔導鎧の弾薬・装備専用の魔導車を導入することを提案しますわ。 マリィの資金は足りておりますか?」
肩当ては現地に建設してもらえるようですがB賞はともかくC賞が曲者すぎますわ。
ここでしか大量には手に入らず高額で、管理に気を付けなければならないものが…
「大丈夫だよ!聖者の試練でたくさんの財宝を手に入れてあるんだ!ローナ様の試練だったから!」
(あっあっ)
あの独りのドラゴンキラーの…聖者様
「独身でしたわね…」
いつもマリィが付けている髪飾りも過去の文献でうたわれていた物そのものですわ! 飾りリボンの色は違いますが、オリハルコンではない部分なので失われたのでしょう。
「もしやその髪飾りも
妙に驚いていますわね。
高レベル者の家族だと過去の文献を漁るのは普通のことですわ。
「そんなに有名だった?これ!?」
髪ごと持ち上げて見せるマリィ。
読んだことのある一節を諳んじる。
「ながれるような〜きんのかみに〜おりはるこんののかみかざり♪ほしとじゅうじ〜をかさねあい〜いかりにひとりろおなはゆく♪」
「ローナの怒りの歌ですわ。この歌からは髪飾りの素材、形、ローナの髪の色がわかります」
星と十字のオリハルコンの髪飾り、本物ですわ。
「ローナの死んでしまった友人の形見でもある髪飾りですわ。自分の試練に封印していたのですね。」
マリィの顔にすごい汗が流れている。
心なしか髪が髪飾りごと震えているように見える。
あまり聞くべきでないことだったかしら。
「ウンソウダヨ」(泣)
気を取り直して、資金は大丈夫そうですわね。
後は魔導車の教習の件ですわ。
「最後に参加賞の件、カルラさん以外で車の免許を持っている方はいまして?」
見渡すとエリス、デビット、ジェイソン、ホルス、クラリス、ロックが持っていますね。
皆さん以外と持っていますね!羨ましい。
「免許のない方だけで教習に行きましょうか、解散にします。 お疲れ様でしたわ」
マリィ、バレット、フレイ、ガリア、イレイザそして私で魔導車教習です!持っていない人を引き連れて、渡り廊下の反対側へと教員、特別教室棟の廊下を進んでいき、突き当りにある大きなドアを開けると、アテナ魔法学校の校庭になっています。
この場所で魔導車を実際に運転して教習、免許認定ということになるのですが何やら普段の校庭と様子が違いますわ。
…アイギスの盾を応用して、街角や障害物を作ってあるようで、難しそうですが皆キラキラした目でいろいろな形をした魔導車を見ています。
多分私も同じだと思います。
実は楽しみなのですわ! 頑張りましょう!
[確認]希望と生命の髪飾り_オリハルコン製_それは壊れない_[再生]
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