24.アプリ殺人
時代は移り変わってゆくが、<新しいものはすべて良い>といえるのだろうか?
奇妙なアプリの噂がある。どちらかと云えば都市伝説だ。
アプリによる交換殺人組合。登録し、
ターゲットを書き込んだ人物=登録者は、殺人リストにあるランダムに選ばれたターゲットを一人殺さなければならない。
それは義務である。ターゲットを書き込み、しかも一年何もしなかった登録者は登録者自身が殺人リストに載る。
話としては面白い。
メリットとしては、警察には動機が判らないということだ。犯人と被害者の接点がほぼないとすれば、捜査は難しくなるだろう。明らかな証拠が出てこないなら立件できない可能性もある。
デメリットは素人が殺人を行っても成功率が低いだろうという点だ。怪我で入院でもされては、その後が非常にやりにくくなる。そしてもう一つ、実行者が憎くもない人物を殺すという心理的抵抗をのりこえられるか、だ。
しかも実行者が本当に殺したのか、確認することはできない。なりすましが横行するに決まっている。
結局のところ、実行者がいなくなってリストだけが膨れ上がっていくだろうと予測できる。
だから、お悩みのあなた。
昔ながらの私たちへ依頼されるのが一番いいだろう。
餅は餅屋に、殺人は殺し屋へ。
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