ブルズ・アイ   (Not 意味怖)

 ある一団が、スクリーンが壁一面に設置された薄暗いバーで飲んでいた。

「暇つぶしにダーツでもやらないか」

 と一人が言い出すと、

「いいね。一番点数の高い奴が全員から一杯ずつおごられるというのはどうだ」

 とたちまち盛り上がった。バーテンがスクリーンに、ランダムに的を映し出す。

「じゃあ始めるぞ」


「地球連邦長官。原因不明のエネルギーにより太陽系が攻撃されています。月も半分ほど吹き飛ばされ、生き残った月基地から救援要請が来ています」

「何なんだこれはいったい。宣戦布告などなかったぞ」

「長官! 攻撃エネルギーが今度はまっすぐ地球に向かって──」


 地球は破壊された。


「ほら見ろ、ど真ん中だ。俺の勝ちだな」

 最初に言い出した男は、上機嫌で酒を飲みほした。


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