第43話 機械帝国狂詩曲

機械帝国狂詩曲を読了したノアの搭乗員は、ぼろぼろの機械帝国狂詩曲を手にしました。この本は製本されていて、わざわざ鉛合金製の引き出しにしまい込んでありました。読了した彼は、いままで出会った多くの文明にアクセスして機械帝国狂詩曲のデータを共有しました。機械帝国狂詩曲は反面教師として、宇宙の多くの文明でベストセラーになりました。Ai Ai とキヨラ、Ai ∞とモモ、∞とその家族の物語は、宇宙中で愛されました。お目にかかったことがないミロク様や超生命体の行いは、神話となって宇宙中を駆け巡りました。∞には宇宙中の読者から印税が入ってきて、印税がたまり続けて困り果てた出版社の親玉が∞の復元を宇宙政府に申請して、やがて∞は復元されました。出版社の親玉はダメ元で申請した∞の復元がいとも簡単に許可され実施されたことに驚きました。宇宙政府は宇宙中の文明の集合体で超先端の技術を保有していましたが、復元の技術はとても偉い方の技術で許可され実施されたというのは聞いたことがありませんでした。∞が目覚めると宇宙中のベストセラー作家になっていました。∞は深い闇を通ってこちらの世界に戻ってきました。∞は自分が亡くなってからどれ程時間が経ったのだろうかと思いました。∞はすべてが消滅する前に見えた光景を想いだしました。部屋にあったTV モニターは戦争の激化によって放送局が破壊されて暗い画面に雨が降り続けていました。何も映らないTV を消して、製本された機械帝国狂詩曲を読み直しました。眠たくなった∞は機械帝国狂詩曲を机の引き出しにしまいました。闇が∞を引き込んでいきました。夢のなかでおじいちゃんに擦ってもらい、お母さんに絵本を読んでもらいました。夢なのか現実なのかわからないなかで、∞を強い死の光が包みました。∞は闇のなかを真っ逆さまに落ちていきました。闇の向こうに微かな光が見えてきて、そこには月がふたつ輝いていました。              ∞は自分が何故復元されたのかわかりませんでした。∞はお母さんのモモが亡くなるときにモモからあなたは守られていますと言われたことを思い出しました。夢のなかでミロク様は微笑まれていました。小さい頃に見たウルトラマンでした。ミロク様は∞に言われました、Ai Ai やお前の家族も復元なさい。それと∞よ。お前はしなければならないことがあるはずだ、よく考えてみなさいと。                   夢のなかのミロク様の示唆に導かれて復元された∞は宇宙政府に申請してAi Ai もキヨラもAi ∞もモモも、∞の家族全員を復元したのちに、チョウジョウを復元させて、印税すべてをチョウジョウに任せました。   

                    何故か∞の復元も∞の家族やチョウジョウの復元もいとも簡単に許可されました。ミロク様が宇宙政府に供与した超先端の技術を使う復元の許可はとてもレアケースでした。宇宙政府の担当は復元した理由は言わないで当然のことですと答えました。復元した彼らに私たちはあなたたちのことはよく知っていますと言って、おかえりなさいと言いました。担当の手元に新しい機械帝国狂詩曲の本があって彼らにサインをお願いしました。

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