はなことば。

@life-in

日常。

ふぅ。絶望、ねぇ。

スマートホンをいじる手を止めて、目の前に咲いた橙色の花を見つめる。


この花の名前は「マリーゴールド」。花言葉は絶望だそうだ。まったく。重たい言葉を背負わせたものだ。いったい誰が、この綺麗な花を見て絶望なんて言葉を思い浮かべたんだろうか。なんとなく、その人とは気が合わなそうだ、とか意味のないことを考える。


きっと目の前に咲くこの花は、人間に重っ苦しい意味をのせられたことなんて少しも知らず、必死に咲いているんだろうなぁ。いや、それも勝手な思い込みか。実際はなにも考えず、ぼーっと咲いてるのかも知れない。

種の存続って目的のために決められた道を歩んでいるだけなのかもしれない。


ふぅ。


もう一度ため息をついて立ち上がる。この場を離れようとする僕と入れ替わるようにして、一匹のミツバチが翔んでくる。


僕はミツバチの止まった「絶望の花」を背に、帰路に着く。


今日のお昼ご飯はなんだろう、とか考えながら。

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