【完結】スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は、最弱魔法で無双する。〜

カツラノエース

プロローグ

プロローグ


俺の名前は海乃哲也うみのてつや

 とりあえず今に至るまでの経緯を軽く説明しようと思う。

偏差値48くらいの高校に入学し、大学には行かずに就職、勤めていた会社はブラック企業。

 とまぁ、冴えない人生を送っていた訳だが、そんな俺は23歳にして死んだ、死因は交通事故だ。仕事の帰り道、俺は信号無視の車に轢かれた。

 だが、その後目が覚めたら中世ヨーロッパ風の街に倒れていたんだ。


 これが良くある?異世界転生なのかって思ったよ。

 俺は異世界転生系のアニメとかラノベは見てたからそういうのは割と知ってたんだ、だから最初は自分しか持っていない最強能力があるんじゃないかとか思ってた。

 でも、そんなもの何も無かった。

 冒険者ギルドに登録してからまず俺はお金(この世界ではゴールドと言うらしい)を集める為に、まずは危険度が極めて低い薬草集めのクエストをした。

 そうして溜まったゴールドで安い杖と魔法の放ち方が載っている本を買って、自信満々でスライム討伐クエストに行ったんだ。


 そこで俺は嫌と言うほど思い知ったよ。

 自分には魔法の才能はないって事を、まず俺が使えた魔法は最弱魔法とも呼ばれている「ファイアボール」や「ウォーターボール」など、相手は最弱モンスターのスライムなのに俺は一体倒すのに10分以上もかかった。

 その後俺はクエストを断念して結局いつも通り薬草集めクエストに戻った訳だ、それで今に至る。


 まったく、前の世界でもろくでもない人間だったのに、異世界転生してもそれは変わらなかったな。


 俺は毎日泊まっている激安宿の天井を見上げながらそう思い、そのまま眠りについた。


 そんな毎日が続いていたある日の事、その日も俺はいつも通り薬草集めクエストをしていた。

「流石に飽きてきたな...」

 俺は森に生えている薬草を取りながらそう呟く。

 最初の方はこの薬草集めクエストもなかなか楽しかったのだが、流石に毎日してると飽きてくる。

 そんな事を考えていると突然、目の前にある文章が表示された。


 [貴方はユニークスキル[レベルアップ]を獲得しました。]


 なんだこれ、ユニークスキル?レベルアップ?

「ゲームじゃあるまいし、レベルアップってなんだよバカバカしい。」

 どうやら俺は薬草集めをし過ぎて遂に幻覚が見える様になったらしい、これはもう薬草集め病の末期症状だな。――なんてくだらない考えは止めて真面目に薬草集めるか。


 その後も俺は薬草集めを続け、もう少しで依頼されている分の薬草を集め終わるという頃、再び俺の前に文章が表示される。


 [レベルアップ!貴方はレベル2になりました。]


 またかよこれ。

 てかこれ俺の幻覚とかじゃなくてマジのやつなのか?マジだとしたらレベルアップってどういう事だよ。


 俺はその後薬草集めが終わるまでずっとユニークスキル[レベルアップ]の事を考えていた。


薬草を冒険者ギルドに渡し、ゴールドをもらった後、俺は自分がいつも泊まっている激安宿の部屋で頭を悩ませていた。

 目の前には一度使った後、手にも取っていなかった杖が一本。

 幸い今日はまだ日は落ちていない。

 別に百パーセント信じている訳では無いが、前の世界でレベルアップシステムのあるゲームが好きだったという事もあり、俺は好奇心に負けて2とやらの実力を試す事にした。


 スライムが出る森の前に着くと、俺はやっぱり引き返そうか迷っていた。


 ちなみに言っとくけど、スライムって結構怖いからな!?

 こんな言い訳してると皆んなにチキンやビビりとバカにされそうだが怖いもんは怖いんだよまったく……でもせっかくここまで来たしな


「レベルアップで俺が強くなってるとしたらスライムなんてこ、怖くないしな!大丈夫!大丈夫!」

 だから俺は自分にこう言い聞かせてからスライムが出る森に足を踏み入れた。


 森に入ってから二、三分して、早速俺はスライムを見つけた。

 やっぱり怖いって……

 俺は再びスライムを前にして怖気付いていた。

 しかし、なんと俺はそこでミスを犯してしまう。スライムを前にして怖気付いた俺は一歩下がろうとした時、落ち葉を踏んでしまったのだ。


 「グシャッ」と森に落ち葉の音が響く。

 しまった、と思った時にはもう遅かった。

 スライムは落ち葉の音で完全に俺に気付き、勢いよく襲いかかって来たのだ。


 ヒィィ〜!

 俺は勢いよく襲いかかってくるスライムにビビり散らかしながらも、(や、やってやる!)と何とか自分を奮い立たせて、

「く、草木を燃やせ、ファイアボール!」

 スライムの方に杖を向け、炎系魔法の中で最弱のファイアボールを放った。


 すると、俺が放った火の玉は見事にスライムに命中、最弱魔法とは思えない爆発でスライムを倒した。


 そんな今までの自分からは想像も出来なかった光景を目にして俺は、

「マジか……!本当に強くなってる!レベルアップは本当だったのか!」

 と、感嘆の声を上げた。

 たかがスライム一体倒しただけでそんなに喜んでかっこ悪いだって?勝手に言っとけ。

 俺にとっては大きな進歩なんだよ。


 そして再び文章が目の前に表示された。


 [レベルアップ!貴方はレベル3になりました。]


 そしてこの文章を見て俺は本当にユニークスキル[レベルアップ]を持っている事を確信した。

「これならいける……強くなれるぞ…!」


 この瞬間から俺はユニークスキル[レベルアップ]を使って、冴えない人生に一花咲かせる事を自分に誓った。

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