第10話 解体と待機時間
僕らは、冒険者ギルドへと戻ってきた。
ギルドに入ると、『マリー』さんの受付が空いていた。
専属の受付になってるので彼女の元に向かう。
「お二人共お帰りなさい。解体の件ですか?」
「はい、角兎を5羽狩ってきました」
「では、解体場の方へどうぞ。
事前に伝えておきましたので。
案内します」
『マリー』さんの案内で解体場へと向かう。
解体場は、ギルドの西側にある建物の様で渡り廊下で繋がっているようだ。
「『エナ』さん、血とか大丈夫?」
「えっと・・・苦手だよ」
「じゃあ、『エナ』さんはフィルター設定した方がいいよ」
「う、うん」
グロ抑制のフィルターを掛けていないと辛いものがあるかもしれない。
僕は、リアルでも料理をよくするからほどほどには大丈夫かな。
田舎の爺ちゃんの所で、一度解体を手伝ったこともあるし。
「『ソウ』くんは、大丈夫なの?」
「うん、僕はリアルでやったことがあるから。
ちなみに、魚も捌けるよ。料理もよくするし」
「そうなの・・・今度『ソウ』くんの料理食べたいな」
「え、いいよ。『エナ』さんは、料理は?」
「するよ、でも食材は大丈夫だけど形があるのは・・・」
来週からお弁当を持って学校に行くつもりではあるから。
お弁当交換とかしてみようかな。
「じゃあ、今度お弁当交換しよっか」
「うん、来週一緒に食べよ」
僕らは、来週の予定を決めた。
あれ?よく考えるとお昼まで一緒にいるなんて思いもしなかった。
でも、嬉しいな。
やがて、渡り廊下を渡り終え大きな部屋へと辿り着いた。
血の匂いが鼻を衝く。
熊のような大きくガタイの良い男性が立っていた。
頭には、真っ白なタオルを巻き、デニム生地のエプロンをつけている。
見た目的にお魚屋さんの出で立ちかな。
「『ソウ』さん、『エナ』さん。こちら、解体場の主任さんで『イアン』さんです。
『イアン』さん、こちらが朝にお話しした解体を教わりたい新米冒険者さんの『ソウ』さんと『エナ』さんです」
男性は、『イアン』さんと言うらしい。
「『ソウ』の坊主に、『エナ』嬢ちゃんだな。よろしく頼むぜ」
「「『イアン』さん、よろしくお願いします」」
僕ら二人は、声を揃えて『イアン』さんに挨拶をした。
「では、あとは『イアン』さんにお任せしますね。
『ソウ』さん、『エナ』さん。クエスト完了報告の時にまた会いましょう」
「「はい、ありがとうございました」」
僕ら二人は、声が揃うようになってきた。
そんな僕らの様子に笑みを浮かべて『マリー』さんは戻っていった。
「じゃあ、二人共こっちの台へ来な」
そう言って、奥ばった台へと僕らを案内する『イアン』さん。
僕らは、彼に誘われ台へと向かった。
「道具は持ってないよな?」
「はい、持ってないです」
「じゃあ、2人に解体用ナイフを渡しておくな」
そう言って、2挺のナイフが台の上に置かれる。
僕らはそれぞれナイフを受け取る。
『R18指定要素が含まれます。
スキップ機能を利用できます。
スキップをしても取得できます。』
僕は、『エナ』さんに視線を送る。
彼女もまた、僕に視線を向けていた。
これは、スキップにしていい気がするな。
僕らは、揃って『スキップする』をタップした。
◇
タップをしたら、待機時間が発生していた。
1時間この場所で待機しないといけなくなった。
目の前には、『0:59:10』とカウントダウンするタイマーが表示されていた。
「『イアン』さんの動きも止まっちゃったね」
「うん、なんか私達だけ時間から隔離されちゃった感じだよね」
「じゃあ、一時間おしゃべりでもしてよっか」
「うん・・・」
でも、僕らの間には沈黙が続く。
いざ話をしようと思っても、急に気まずくなるんだよね。
「あはは、唐突に話そうとすると話題が浮かばないね」
「うん、会えない間はいっぱい話したいことがあったのに」
「そんなに僕に会いたかったの?」
『エナ』さんは、下を向いて沈黙する。
長い長い時間が経った気がする。
体感ではだけど。
「私、ずっと『ソウ』くんに会いたかったの。
だから、今は『ソウ』くんに会えて嬉しいの」
『エナ』さんは、頬を赤らめながら僕の目を見ていた。
その表情を見たら、僕の心臓が高鳴った。
「僕も『エナ』さんに会えて嬉しいよ」
でも、ずっとかどうかはわからない。
半年前に会った時に、僕は彼女の事を気になっていたのかもしれない。
気にならなきゃ僕は、恵那さんを助けようとは思わなかったかもしれない。
僕らの沈黙は、それからも続いた。
◇
やがて、目の前のタイマーが『0:00:00』になる。
「おし、二人共いいだろう。そのナイフは、持ち帰っていいぞ」
『イアン』さんの声がした。
どうやら、動き始めたらしい。
『解体スキルを取得しました。』
僕らは、解体スキルを手に入れることが出来た様だ。
「『エナ』さん、一度休憩しない?」
「うん、夕ご飯食べたらまた遊べる?」
「出来るよ、戻ったらクエストの続きをしよっか」
「じゃあ、宿屋さんでログアウトしよう」
僕らは、そのあと宿屋に向かいそれぞれ部屋を取りログアウトをするのだった。
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プレイヤーネーム:『ソウ』
種族:人族
LV:2
STR:6
VIT:6
INT:6
MND:6
AGI:6
DEX:6
ステータスポイント:0
LUK:5
CHA:5
ウェポン(メイン):マルチウェポン(7)
ウェポンアーツ:クイックチェンジウェポン
マジック(メイン):初級魔法(6)
セットスキル(5):
採取:LV1
控えスキル:
解体:LV1【NEW】
スキルポイント:10(初期値)
称号:質素倹約、堅実、友愛
武器(左):
武器(右):ノービスマルチウェポン
防具
頭:なし
胴(胸):ノービスシャツ
胴(腰):ノービスズボン
腕:なし
脚:ノービスブーツ
アクセサリー
耳:なし
首:なし
指:なし
その他
ポーチ:レザーシザーポーチ(黒)
リュック:シンプルバックパック(ベージュ)
採集:初級スコップ(ライトブルー)
解体:初級解体ナイフ【NEW】
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プレイヤーネーム:『エナ』
種族:人族
LV:3
STR:1
VIT:1
INT:6
MND:6
AGI:1
DEX:5
ステータスポイント:0
LUK:3
CHA:3
ウェポン(メイン):魔杖:LV1
マジック(メイン):風魔法:LV1
セットスキル(5):
MP増加:LV1
MP自動回復:LV1
風魔法強化:LV1
魔力操作:LV1
採取:LV1
控えスキル:
解体:LV1【NEW】
スキルポイント:2
称号:倹約家、友愛
武器(左):
武器(右):ノービスロッド
防具
頭:なし
胴(胸):ノービスシャツ【衣装:朱羽織】
胴(腰):ノービスズボン【衣装:ロングスカート(桜)】
腕:なし
脚:ノービスブーツ
アクセサリー
耳:なし
首:なし
指:なし
その他
ポーチ:パステルウェストポーチ(ピンク)
リュック:パステルリュック(ピンク)
採集:初級スコップ(ピンク)
解体:初級解体ナイフ【NEW】
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解体
討伐済みの魔物を解体ナイフを装備していると自動で解体することが出来る。
解体をすることで、ドロップアイテムを取得することが出来る。
LVが上がることによって、レア度と品質がUPする。
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