栞(第2回 カクヨム短歌 俳句コンテスト練習用作品)
知らぬ小鳥ぴよと鳴いた
メガネかけた男児もぴよと鳴いた
豆サイズラーメンの粉末を舐めた
博多って大宮の味がするね。
びりで入る風呂に垢がたくさん
浮いていて祈るより蔑んでおく
国連も真夏
バカリズムが悩む様に吸う紙タバコ
「この味はよくない」と君に
言われたけど 5月17日はなにもない
空っぽのテーブルを嫌うあなたが
そっと置く生きていた花束
半額の惣菜で埋まりつつある
冷凍庫に 「あ!」と醤油を垂らした
死んだ猫の臭いがするままに
シャツを売った ごめんねたまみ
Googleの検索結果に出てくる
ラナンキュラスはよいこだけ
半額の値札貼られなお売れぬ
惣菜をどうも買ってしまう夜
まだランチ
胃の中では時間が
ゆるりゆるうり溶かされてるらしい
またそれも運命かもしれぬ
藤原の前で嫌われるたんぽぽ一輪
藤原の様に「俺の歌」と言えず
私はただ「ギルド」を聴きおりぬ
そりゃまあ悪ですよ
今宵星々は空っぽの心臓に刺さり溶ける
深夜一時 横断歩道を手を挙げて渡る
つまずきかけ泣けもしない
ここも僻地 新宿からも離れて
マフィンを口にしては …ハレルヤ
存在も怪しいこの夜にサイレンなど
聴くものではないな ないな
一時間待って店員が出てこなくて
コンビニで死ぬのをやめた
サルトルはさっぱりで
自分の手に保湿クリームを塗る
エイトビート刻む軍用ヘリの
プロペラ音に雛鳥の様なブレーキ音を
行く気はない富士山の
フラスコ画に角瓶の様なジョークを
幼子の手と脚で世界中の日向に
栞を挟んでしまいますように
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