如月美果と不思議な森の夜そして魔法の国へ

タカユキ

第1話迷子

やだなぁ。変なところに入っちゃた。


ここは森だね。これって完全に迷子だ。


どうしよう。やっぱり大人について行けばよかった。


自分1人で突っ走るんじゃなかった。


親戚の叔父さん達とハイキングに来たけれど、ちょっと退屈だったから、探索してみようかなと思って。


そしたらこんなことに。怖い誰か助けて。


パパママ私のこと心配してるだろうな。


叔父さんや友達も探しに来てくれてるのかな?


今どこにいるかわからない。歩いても、歩いても森の中。もう歩きたくなくなるぐらい。


疲れちゃった。変な虫がいっぱいいるし。


それに真っ暗な闇が広がって、怖すぎる。


カエルの鳴き声や何か得体の知れない虫の鳴き声も聞こえてくる。


森の匂いが湿った土や樹液の香りを感じさせた。


くたくたになった私は、しゃがみ込んだ。


その時怪しげな老婆が私に話しかけてきた。



迷子かい?

助けてやろうか?



うん。人だ、助かったんだ。そう思うと目に涙を浮かべた。


森の暗さが怪しげに見えたのかな? おばあさんはよく見ると優しそうな人だった。


ありがとう。私は感謝して、そのお婆さんに言った。


じゃあまず名前を教えてもらおうか?


私の名前は、如月美果だよ。


きさらぎちゃん、じゃあ魔法で空を飛ぼう。


えっ? 魔法?


ああ信じられないような顔だね。とおばあさんは鋭く言った。


すぐに分かるよ。そら!

とおばあさんが手をかざすと体が宙に浮いてきた。


うわぁ凄〜い。ほんとに空飛んでるよ。と私は感動して言った。


そうだろう。みんな最初は信じないのさ。


私が魔法を使うことをね。とおばあさんが笑顔で言った。


自分が飛行機になったみたい。


私は夜の真っ暗ななかで、風のように空を舞う。

マタタビの様な気持ちになりながら、空の旅を楽しで、景色を見ようと思った。


夜の空から見る、キラキラ光る電気がとても綺麗。

空には幻想的な星々が白く光って、その周りは、とても魅力的な青い空が、一段と星の美しさを奏でるように広がっていた。



私は夢中で空を飛んでいく。夜の風が気持ち良い。私の1人でいた不安だった気持ちを吹き飛ばしていく。


魔法使いのおばあさんも、それを見てついて来てくれる。


ねぇおばあさん、どうして私を助けてくれたの? と気になっていた事を私は質問した。


何故だろうね…誰かを探していたと思うんだけど…まぁ困った子供がいれば助けるのは、当然だよ。とおばあさんは答えた。


誰を探してたんだろうね? その人も迷子なのかな? と私は聞いた。


いや…歳でねぇ、過去の記憶があんまりないんだよ。迷子の子じゃないよ。とおばあさんが曖昧に答えた。


そっか〜思い出したら一緒に探してあげるね。今日はありがとう。とおばあさんにお礼を言った。


あれは私のお家これで帰れる。でももう少し空を飛んでいたい。


でもみんな心配してるから、早く帰らなきゃ。


複雑な思いが私の心が喧嘩してる。


もう帰るのかい?

まぁ親は心配してるだろう今日はお帰り。


明日また私と遊ぼうね。


優しい魔法使いのおばあさんで良かった。


明日は私の魔法の国を紹介しよう。


そう言って魔法使いのおばあさんは目の前から消えていった。


私はこれでここから落ちるんじゃないかと、一瞬怖くて震えたけれど、それは大丈夫だった。


ひゅーとお家目掛けて大空から地面に進んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る