貿易

@sokkou

第1話 貿易

「宇宙船がこの近くに降りようとしてるぞ」


「見たところ、地球の宇宙船とは作りが異なるようだが」


「とりあえず、近くまで行って確認してこよう」


そういうと二人の男は宇宙船の降り立つ位置に向かって車を走らせた。


「すでに着陸したようだな」


「そうみたいだな」

「お、見ろ、ドアが開く音がするぞ」

 

豪快な音と共に大きなドアが少しづつ開き、そこからこちらとは見た目の異なる宇宙人が何人か出てきたため、男二人は敵対心がないことを伝えるために話しかけに向かった。


「遠路はるばるようこそ地球にお越しいただきました」

「一体どう言ったご用件で地球に訪れたのでしょうか?」


そう話しかけると、宇宙人たちは翻訳機のようなものを使って言葉を解析し、その後に翻訳機を通してこちらに話しかけてきた。


「いきなりの訪問をお許しください、貿易をするためにこちらの星に来させていただきました」

「この星の責任者はどこにいるのでしょうか?」


「そうだったのですね、星の責任者ではないですが、この国の責任者がいます」

「案内しましょう」  


実は、この男二人は政府直属の人間。すぐに宇宙人たちを国の大統領の元へと案内した。

すでに電話で向かうことは伝えてあったので、目的地に着くと、国のリーダーである大統領は宇宙人たちを歓迎する準備をして待っていた。


「ようこそ、地球へ、これからあなたたの住む星と交流を広げることを心から嬉しく思います」


「こちらこそ、これからよろしくお願いいたします」

「早速なんですが、我々の星は金属が豊富な代わりに森林資源が足りません、そのため貿易では、こちらが金属を輸出し、そちらから森林資源を輸入したいのですが」


「もちろん構いません、こちらの星は逆に金属が少ない星なので、こちらとしても金属を輸出してもらえるのは、大変助かります」


「それでは交渉成立ですね、では次はこちらの星の暦で三ヶ月後に訪れます」


「わかりました、また会うことを楽しみにしています」


話を済ませると、宇宙人たちは宇宙船に乗って、空の彼方へと帰っていった。


「いやぁ、それにしてもいい貿易相手が見つかりましたね」


「ああ、本当だ、我々の国の機械の生産量も格段に増え、国内で回るお金もどんどん増えていくことだろう」


政府の人間は皆喜び、次に訪れる三ヶ月後を楽しみに待った。


三ヶ月後...


別の宇宙船が、こちらにやってきた。

宇宙船がゆっくりと着陸をすると中から前とは違う見た目の宇宙人が出てきた。

そうすると宇宙人たちはこちらの方に来て話しかけてきた。しかし、何を言っているのかわからないので、こちらはとりあえず歓迎の言葉を述べた。

そうすると、宇宙人たちは翻訳機を使って我々の言語を理解し、前きた宇宙人たちのように、翻訳機を通してこちらに話しかけてきた。


「我々は電気の星から来ました、どんなところかというと、星全体に電気が通っており、私たちはそこから得た電気を他のものとの貿易に使っています」


「なるほど、そちらの星から輸出していただけるものは分かりましたが、具体的にこちらの星からは何を輸出して欲しいのでしょうか?」


「食料品ですかね、こちらの星では食料の生産が困難なのです]


「なるほど、分かりました」


貿易について話し合っていると、前訪れてきた金属の星の方々がやってきた。


「我々と三ヶ月前に貿易関係を結んだ星の方々です、すみませんが少し席を外しますね」


そう言って大統領は金属の星の住人に挨拶をしに向かった。


「これはお久しぶりです、またこうして会えたことを大変嬉しく思います」


「はい、私たちもです、それでは早速貿易を始めましょうか」


そうして、相手側が用意した金属を船から下ろし、その後にこちらの用意した森林資源を詰め込んだ。


「これで全部ですね、いやぁ本当に助かります、これからも貿易関係だけでなく、星同士の関係としても仲良くやっていきましょう」


「もちろんです、これからも何卒よろしくお願いいたします」


貿易を終えると、金属の星の宇宙人は、宇宙船に乗って帰り始めたが、その時に問題が起こった。電気の星の宇宙人が乗ってきた宇宙船に船体をかすってしまったのだ。それだけなら修理で何とかなるが、そこから電気の星の宇宙人が別の星絵の輸出用に用意していた電気が漏れ出した。そうすると、電気の星の住人たちはとたんに焦りだした。


「どうしたんですか?」


「いや、私たちの星の電気は他の星の電気に比べてエネルギーが大きいかわりに金属などに伝わると大爆発を起こしてしまうのです」

「普段はそうならないように、貿易前に電気にとある装置を使うのですが、貿易前でしたので、宇宙船に詰め込むときに装置を使ったのが最後ですから、すでに効果が切れてしまっていると思われます」


「なんだって...」


そう話している間に、電気は金属の星の住人の宇宙船に伝わって爆発し、さらに先ほど貿易で得た金属にも電気が伝わっり、ものすごい威力の大爆発が起こった。


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