第11話、ソウハルの15周年記念
ソウハルの生活は相変わらず週3日の雑用と真剣師をする生活が続いていた。真剣師の仕事はというと中々、挑戦する相手がいないことも多く収入が0の日もあり、雑用だけでは生活が苦しかった。だからソウハルの食事はご飯に卵をかけて食べるだけの質素な生活が続くこともあった。
そんな食事だったこともあり、ソウハルはお金だけではなく、対戦相手に自分が負ければお金をあげるからもし、私が勝てば食材を提供するような感じで将棋を指すように工夫も重ねていった。そのような形をとってからは農家や地主などの将棋自慢がソウハルに挑戦してくることも多くなり、ソウハルは全く負けなかったので食材には困らなくなっていった。
ソウハルが蘇って15年が経った頃にはカズヒコ等の仲間たちはみんな年をとっていき、体調を崩すものが出てきたりして徐々に5人で集まる機会が減っていった。すでに90を超えていたがカズヒコはまだ元気だったので、参加できるメンバーでソウハル誕生の15周年記念を開催した。
今回参加したメンバーはソウハル、カズヒコ、ダイスケ、アツオだった。4人はいつものように会館で将棋をした後、常連の居酒屋に足を運んだ。
カズヒコ「今回、おやっさん(ケイイチ)が体調を崩していて4人の参加になったんだ」
ソウハル「みんなありがとう」
ダイスケ「うちらも聡ちゃん以外、みんな90近いからさ体力的にもきつくなってきたよね」
アツオ「聡ちゃんだけ一人ハッキリ若返ってるよ。今、60代だよね」
ソウハル「誕生したのが83歳だから68歳かな」
カズヒコ「若返りの魔法が欲しいよ」
ダイスケ「年をとると体が思うように動かなかったり不便だよね」
アツオ「ケイチャンは体調崩しているけどみんなこうしてまだ元気なんだからさあ」
ソウハル「まだ、一人だけどもうそろそろパートナーが欲しいね」
カズヒコ「聡ちゃんそういえばイメクラの時に気になっていた女の子とまだプレイしてるの」
ソウハル「10周年記念の時にプレイをしたのが最後だよ。でも、可愛かったな」
ダイスケ「これから可愛い子見つけてウハウハできるんじゃ羨ましいかぎりだよ」
カズヒコ「そうそう家の奥さんはもう、年上だから90代だし、娘ですら60代だし。聡ちゃんうちの娘と年齢変わらないんだもんな」
アツオ「聡ちゃんの結婚式には参加できるかわからないな」
ダイスケ「聡ちゃん遅くても30代までに結婚したほうがいいよね」
カズヒコ「そうだよ。聡ちゃんどんどん若返っていくんだから結婚するなら早い方がいいよ」
ソウハル「そうだな。なるべく年の離れた若くて可愛い子を見つけるよ」
4人はソウハルの結婚話で盛り上がった。ソウハルももし結婚して子どもを作るとなると遅くても後、20年後の40代には結婚したいと思ったが、恐らくこのメンバーは誰もいなくなるだろうと思ったのでそろそろ彼女を作りたいと考えるようになっていった。
カズヒコ「もう、うちらも年だし1次会で終わりにしようか」
ダイスケ「そうしよう。聡ちゃん、イメクラいくの」
ソウハル「ミキちゃんって子がいなくなってから1回いったんだけどイマイチでさ。今日はみんなありがとう。もう帰ろう」
アツオ「そうだね。もう帰ろう」
ソウハルの15周年記念も終わって4人は居酒屋を後にした(続)
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