幼稚な恋でも想ってたい!

ルビ

第1話 プロローグ


 いつから始まったのだろう。

朝起きたとき、夜眠るとき、君のことを考えてしまってる。

朝の行動は早いのに、夜の寝付きはどんどん悪くなる。

僕の身体の原動力は、まるで変わってしまったようだ。

でも、それを僕は、良いことだと思っている。

どうしてかって?

それは、恋している時の僕が、僕は好きだからだ。

決してナルシスト的な意味ではないよ。

誰だってそうだろう?ほら貴方だって。






 改めまして自己紹介しよう。

僕は、日比野明里。明里ってなんだか女の子みたいな名前だけど男だ。

僕は、春からこの神原高校に通うことになった高校生だ。

クラスには馴染めたし、部活の友だちもできた。

順風満帆な高校生活を送っている。

浮かれ気分の高校生活だが、勉強面はちょっと微妙である。

平均点に届きそうで届かない教科がたっくさんある。

特に数学Iなんか解けたもんじゃない。

はぁ...答案を父さんに見せたくないな。

考えても鬱になるだけなので、もう本題に入ろう。

ずばり、僕は今好きな人がいる‼

高校生なので至極当然かもれない。でも困ったことがあってさ。

中学生のときに女子とほとんど喋ってないから、接し方がわかんないんだよ。

急に話しかけても困るだろうしね。

そうだ!今度友だちに聞いてみるのもアリかもしれない。






 「なぁなぁ、女子にどうやって話しかけたら良いかな?」

「は、急にどうした。腹でも壊したか?」

こいつは僕のクラスメイトの永見亮介。成績優秀のスポーツマンだ。

「いやー永見は女子と仲いいからさ。」

「そりゃどうもだが、教えることなんてないぞ。」

「え、なんでよ。」永見なら分かると思ったんだけどなぁ。

「だって人と話すのに良い悪いなんて無いじゃん。女子だろうが男子と同じ対応してるぞ。」

信じられない。同じ対応してたんだ。

なんて思っていると永見は言う。

「そんなことより、勉強したらどうなんだ?成績、悪いんだろ?」

ニヤニヤしながら見てくる。ムカつくな。

「それはそれで、これはこれだろ。そもそもまだ高一だぞ。青春を追わなくてどうする。」

どうだ。反論できまい。

「ハハッ、お前、青春したいのか。モテ期くらいそのうちくるって!」

永見は腹を抱えて笑っている。

モテ期なんかあったら、今頃苦労してねえよ!!

永見に思いっきり笑われて、その話題は切れた。











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