分担

今日はとりあえずここまで、とセナさんと私はパーティーハウスを出る。


気まずい。


そんな空気を先に破ったのは、隣で歩くセナさんだった。


「んー、でね。みんな役割があるってこと、分かったでしょ?」


「はい、アイちゃんが雑用っていうのが気になりますが……」


「ま、まあまあ。気にせず。それで、アカネには、回復系の魔法を覚えてほし———」


「辞めておきます」


「なんで⁉」


天使ひよこってこと忘れましたか?


そう考えているうち、あれ、と思った。


異世界イージーモードで過ごしたいって思っていたけど……。

それじゃあ、茉奈ちゃんを見返せない。常識を覆せない。


———ならば。


最強の冒険者になるのが吉……なのか?

よぉし、やる気出てきた。


「やっぱやります!」


「あ、え?———改心早いねぇ」


「これからよろしくお願いします!回復系魔法取得、頑張ります」


「ええっと、うん?」

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