神宮へ。

神宮。なんて読むでしょう。


……正解は、神宮かみきゅうです。

神宮じんぐうではないんです。


王宮ならぬ、神宮かみきゅうなのです。

これは、天使の中では基本中の基本中の基本。のはずが……。


「よっしゃ、それじゃ、死んだ天使さんを神宮じんぐうに連れて行ってあげますよ」


「…………」


間違えてる。明らかに。


訂正したい気持ちはやまやま。しかし、気が変わらないように、言わない。


———本当に仕事できるほうなの?表の顔でも……。



王宮に着くと、そびえたつ壁、鉄、兵士、などが目にいった。

面影ある色あせた壁は、元気モリモリ現役壁だった。

それと、何といっても大きさ。

控えめに言っても、私の百倍以上。天まで続いているのでは……いや、ここが天だった……。


中は、私も入ったことがない。

隣にいる彼女も尚更だろう。


いつも、連れてきた魂を、近くにいる兵士に預けて……。その後のことは知らない。


だから、「高さ×デカさ×謎さ」で、これから入る私の心臓は、鳴りやむことを知らないらしかった。

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