『空《カラ》で、多嗚!』

やましん(テンパー)

『空《カラ》で、多嗚!』(だじゃれ句(苦)集の序)

 

 『これは、フィクションです。』





 大佐


 『準備はできました、准将。』



准将


 『よし、始める。《空で、多嗚!》作戦開始ら!』



大佐


 『は! ただちに、地球管理センターを占拠します。』


  

 地球防衛隊、555超特殊秘密旅団は、『地球国民省舞い舞いカードセンター』、を、あっという間に制圧した。


 そうして、あらかじめ準備していたデータを、全地球世界各国に、送信した。



准将


 『ふふ。このメールを開くと、ワクチンが、体内に接種され、やたら反抗的な精神は更生されるのだ。みな、従順になる。新しい、われらが、総統の時代が来る。ビバ! 総統!』



         💉



私立探偵 赤血小次郎さん


 『なんだ、この、あやしい、メールは。舞い舞いセンター? 地球政府筋か。む、しかし、我がウイルスセンサーが反応している。まさかな。ああ、マキさん、君にも来てるかい?』



アシスタント マキさん


 『来てますよ。この添付データは、危険な味わいがありますね。あ! 所長、これ、開いてはなりませぬ。これは、荒川放水博士が開発した、人間を従順にする、ヤンワリ・ウイルスです。博士は、ワクチンと呼んでいましたが。』



赤血小次郎探偵


 『また、あいつか。やつには、哲学はない。金儲けだ。マキさん、あちこちに、新しい、データ抗生剤投与できるかい。辺田博士が極秘に作ったばかりのやつ。』



マキさん


 『もちろん。やります。はいはい、ちーちんすいすい。はい、完了。でも、所長、舞い舞いセンターが、ハッキングされていて、もう、ウイルスは世界中に広まってます。手遅れかも。あ、ヘナ・チョコー総統とかいうひとが、あちこちで、演説してます。自分こそ、新世界の救済者だとか言ってます。』



赤血小次郎探偵


 『む、む、む。ついに、始まったか。正体は、荒川放水にウイルス作らせた、地球防衛隊の中の誰かだ。世界の終わりの開始だ。マキさん、あなたは、対抗ワクチンして、早めにシェルターに行った方がいい。和戸尊は、館山方面だし。ぼくは、まずいタイミングで、抗生剤を打ったかもな。こりゃ、世界が破壊されるかも。』



マキさん


 『所長は?』



赤血小次郎探偵


 『どうやら、これには、ぼくに責任があるかもしれない。あなたは、気にしなくていい。』




マキさん


 『そら、もちろん。』



 間も無く、地球は大混乱になって、ハチャメチャになった。ワクチンと、ウイルスが入り乱れ飛び回った。荒川放水博士が作った、いわゆるデータワクチンやウイルスは、瞬時に人間にも、伝染する。免疫にはならないから、感染や、治癒を、どんどんと、繰り返す。


 宇宙から、その様子を眺めていたのが、コー・キュー・リ・ヨー・テイ星人だったのである。


 かれらは、地球人類が、自ら破滅するのを待ちかねていたのだ。


 タイミングを見計らって、根こそぎ、地球の資源を略奪していった。


 そうして、まさしく瞬時にして、あの、アリゲーターぱんくまら、や、ビッグマムーシが現れる世界になったのだ。


 ただし、ヘナ・チョコー総統たちは、短期間に自ずから、滅亡したのである。



 『おごれるひと ひさしからず


    ただ、アリゲーターぱんくまらの


       ゆめのごとし


     地球のみだれんことを


       さとらずして


        たみのうれうることを


         しらざ…………』



    

           おわり

 

     


     

        


 








 

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『空《カラ》で、多嗚!』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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