サブスクライブ
ボウガ
第1話
ある男、会社から帰ってきて、いろんなサブスクライブサービスに熱中するのが楽しみ。本、映画、音楽、便利な時代になったものだ。こちらが急いであらゆるものに手を出す努力をせず、大した出費をせずとも、定額で様々なサービスにふれることができる。男はケチでこれさえも控えていたが、一年前からドはまりし、QOLがバク上がりだと喜んだ。
しかし、とあるブラウザーにログインした記憶のないページをみつけた。だがログインのパスワードとIDがのこっている。つけると、様々な動画があがっている。しかしすべて奇妙で、そのアイコンが街中の映像ばかり。
男は気になって再生する。
「なんだこれ、盗撮?」
街中からはじまり、カメラが世界をうつしている。、男はわくわくしてそのカメラが行く方向を、だが見おぼえるのある景色を通りすぎ、見覚えのある部屋にたどりついた。
「ヒ、ヒィッ」
男は恐ろしくなった。リビングの机の位置、窓の配置、家具の位置、まぎれもなく自分の部屋だ。
「ス、ストーカーだ!!」
だが男は、自分にはまだ証拠がない事を思い出した。確かに、この映像をもっていけばいいのだろうが、それでは甘いかもしれないと考え、男は動画を見続けた。そしてカメラはベッドの脇におかれ、得たいの知れない人間がベッドに座って、男はさらに驚いた。
「な、どういう、はっ?どっきりか?」
そこに座っていたのは、自分自身だった。たしかに最近カメラを買った覚えがあるが、使った覚えはない。夢遊病か、となると相談すべきは警察ではなく医者か。
ともかく、真相を調べるためこのサブスクライブの会社に電話をした。
「はい"自分を好きになろうチャンネル"です」
「○○というユーザーですけど、いったいこのチャンネルはなんなんです」
「○○様ですね、少々お待ちください……あなたは半年前これに加入されましたよ?このチャンネルのメインコンテンツはラジオ音声です、このラジオを聞くだけで、自分を好きになる暗示をかけ、そのための行動を実践するようになります、そして、自分でコンテンツをつくり、自分のページにあげ、観察することができます、その成果や行動は人によってまちまちですが、もし暗示やその結果が強すぎる場合は……」
男は先ほどのウェブページをみると確かに、先ほどのは自分のアカウント専用のページで自分で動画を上げていたようだ、ホームにいくと怪しい宗教じみたラジオ音声がある、男は半年前の事を思い出した、恋人と別れ、落ち込んでいた時期だ、まさか自分がこんなものにはまっていたとは……恐ろしくなりすぐに解約した。
サブスクライブ ボウガ @yumieimaru
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
近況ノート
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます