25.第2日 お酒が飲めない夕食

 さて、会賢フェヒョン地下街を散策したアホバカ妻とボクは、明洞ミョンドンの通りをブラブラ歩いてホテルに戻りました。


 ホテルで少し休むと、もう夕食の時間になっていました。そこでボクたちは、二日目の夕食に出かけたのです。


 実はボクたちは、昨日明洞ミョンドンを散策していた時に、ボクの好きなソルビタン(牛肉の入ったスープ)の店を見つけて、二日目の夕食はそこにしようと決めていました。


 ここでいつものように、近況ノートをご覧ください。URLは以下です。

 https://kakuyomu.jp/users/azuki-takuan/news/16817330663373240651


 ①番がそのお店の正面です。一生懸命に看板を見ているアホバカ妻が中央右に写っていますので、ボカシを入れておきますね(笑)。


 さて、この①番の写真をご覧になって、「あれっ」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?


 そうなんです。いつもはお店の名前を写しているのに、今回は意図して写していません。この理由は後で・・・


 さて、お店に入ると、アホバカ妻は今日の朝食で食べたかった鮑粥あわびがゆを頼んだのです(『9.第2日 ホテルの朝食』をご覧ください)。ボクはソルビタンを頼みました。

 

 写真の番号が飛びますが、④番と⑥番が店頭にあった看板の鮑粥あわびがゆとソルビタンです。④番が鮑粥あわびがゆ、⑥番がソルビタンですね。⑥番の写真には日本語で『カルビタン』と書かれています。


 実は、韓国に単身赴任しているときに、ボクはよくこのソルビタンを食べていたのですが、ボクには、韓国の人の発音が『カルビタン』ではなく『ソルビタン』と聞こえるのです。それで、日本語表記は『カルビタン』が一般的かも分かりませんが、ここでは『ソルビタン』と表記しますね(笑)。


 そして、ボクは料理を注文してから、いつものように韓国焼酎を頼んだのです。 韓国焼酎はチャミスルというのが一般的です。 アルコール度が15度くらいの焼酎で、韓国ではこれを小さなガラスのコップ(『ソジュジャン』と言います)に入れて、ストレートで飲みます。チャミスルは、今は日本のスーパーでも売られていますので、皆さんもよくご存知ではないでしょうか。ちなみに、アホバカ妻はお酒を飲みません。


 しかし、焼酎を頼んだところ、店のお兄さんが片言の日本語で「焼酎はダメ。肉だけ」と言うのです。


 しかし、ボクには、お兄さんが言ったことがまるで理解できませんでした。ただなんとなく「何か理由があって、この店では焼酎は飲めないんだな」とは感じました。


 それではと思い、今度はビールを注文したのです。


 すると、店のお兄さんは少し怒ったようでした。・・・今度はムッとした声で、「酒はダメと言ってるでしょ。肉だけ」とまた言ったのです。


 ボクはまたも意味が分からず、ここで考え込んでしまいました。


 すると、アホバカ妻が「あなた。お酒は焼き肉を頼んだ人にしか出さない、と言ってるんじゃないんの?」と言うのです。


 「なるほど」と思い、ボクは店を見渡してみました。


 その時点で、店にはボクたちの他に数組の客が入っていました。

  

 奥の壁のところに2組の客がいて(男性2名が1組、女性2名が1組)、焼き肉を食べていましたが、後の数組は、焼き肉以外のものを注文していました。


 そして、誰もビールや焼酎といったアルコールを飲んでいないことに、ボクは初めて気づいたのでした。


 アホバカ妻の言うとおりだとすると、焼き肉の2組はアルコールを頼んでもいい訳ですが、なぜか注文していないようでした。


 あるいは、それとは全く別の理由で、この店ではどんな料理にもアルコールは出さないのでしょうか?・・・


 ボクは韓国で3年間の単身赴任生活を送ってきましたが、食堂でアルコールを出さない店はありませんでした。というか、日本でも韓国でも、あるいは韓国以外の外国でも、アルコールを出さない食堂というのは、ここが初めてです。もちろん、宗教上の理由があるところは別です。


 しかし、この店には何か宗教上の理由があるという訳でもなさそうです。


 アホバカ妻はさらに「きっと、この店は焼き肉がメインの焼き肉屋さんなのよ。だから、焼き肉を頼んだ人にしかアルコールを出さないんじゃないの?」と言うのです。


 ボクは「おそらくアホバカ妻の言うとおりだろう」と思いましたが、それにしてもそんな店は聞いたことがありません。


 アルコールが出ないならば仕方がない、と腹をくくって(別の店に行くと、お兄さんが怒り出しそうだったので・・・)、ボクは「水だけでいいです」とお兄さんに言いました。一方、アホバカ妻は、お兄さんにオレンジジュースを頼みました。


 少しして、アホバカ妻のオレンジジュースが運ばれてきました。次の②番の写真をご覧ください。


 なんと、アホバカ妻の眼の前にトンと置かれたのは・・・今、スーパーかコンビニで買ってきたような、紙パックに入ったオレンジジュースだったのです。紙パックにはハングルで『オレンジ』と書かれています。。。


 店のお兄さんが向こうへ行くと、アホバカ妻が「こんな店は初めて。せめてコップに入れて持ってきてほしかった」とあきれて言うのです。そりゃそうだなあと思うボク・・・。ただ、お兄さんには文句は言いませんでした。こうなったらもう『郷に入れば郷に従え』です。。。


 やがて、ボクたちが注文した鮑粥あわびがゆとソルビタンが運ばれてきました。③番が鮑粥あわびがゆの写真で、⑤番がソルビタンとご飯の写真です。


 さて、アルコール無しの食事は、あっという間に終わってしまいました。


 ボクたちが店の外に出ると、アホバカ妻が「あの鮑粥あわびがゆなんだけど、実はほとんどあわびが入ってなかったのよ」と言うではありませんか。


 ボクのソルビタンも、いやにお肉の量が少ないものでした。


 結局、二人で「観光地だから、こんな店もあるんだなあ」と話をしながら、ホテルに帰ったのです。


 それで、あまりこういう恣意的なことはしたくないのですが(笑)・・・


 ③番のアホバカ妻が食べた鮑粥あわびがゆと、④番の店の外の看板の写真とを見比べてみてください。


 ④番の看板の写真には、お粥の上に薄黄色のあわびがたくさん乗っていますが、③番の写真にはあわびが数えるほどしか乗っていません。


 同様に⑤番と⑥番の写真で、ソルビタンも実物と看板を見比べてみてください。

 ⑥番の店の前の看板の写真のなんと豪華なこと!・・・

 それに引き換え、⑤番のボクが食べたソルビタンのなんとさみしいこと!・・・


 『看板に偽りあり』とは、まさにこのことですよね(笑)。


 ちなみに⑦番の写真が、突き出し(『ミッパンチャン』と言います)を含めた料理全体です。奥に写っているのがアホバカ妻の鮑粥あわびがゆです。ボクのソルビタンは左手前に少しだけ写っています。


 ⑧番の写真は、「お肉が少ないなあ」とボクがソルビタンの中のお肉をスプーンですくいあげたところです(笑)。


 なんとも物足りない食事でした。


 このため、ホテルに帰る途中でコンビニに立ち寄って、ボクが焼酎とつまみのスナック菓子を買ったことはいうまでもありません。


 ⑨番の写真が、ホテルの部屋のテーブルに置いた焼酎とスナック菓子です。左側の緑のビンがさっき書きましたチャミスルという焼酎です。


 で、右側のスナック菓子ですが・・・「あっ」と声を上げた方もいらっしゃるのではありませんか! そうなんです。日本でも実によく似たスナック菓子が売られていますよね(笑)。このスナック菓子は韓国のどこでも売られています。それでボクは単身赴任していたときに、このスナック菓子を非常食としてよく買っていました。でも、インターネットを見ると、この韓国の商品には、本家の日本のスナック菓子のパクリ疑惑があるそうですね(笑)。

 

 まあ、いろんな店や商品があるものです。こういう店や商品に出会うのも、旅の楽しみですよね。というわけで、①番の写真で、お店の名前を出していないのは・・・ここがちょっと変わったお店だったからです。。。


 しかし、宗教上の理由を除くと、焼き肉を注文した人にだけアルコールを出すという食堂は世界でもめずらしいのではないでしょうか? まあこれは推測ですので、他に理由があるのかもしれませんが・・・いずれにしても、お酒が飲めない食堂というのは、ボクには初めての体験だったのです。


 『???』の明洞ミョンドン二日目の夕食でした・・・

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