新しい高校への編入

新・第11話

 前の11話目はもう敢えてスキップしたいと思います。

 本当にすみませんでした。

 ここからは良太が編入します。

───────────────────────

 とうとうこの時がやってきた。

 俺はいつもよりワクワクしながら、今まで着ていた制服ではなく、休日に着るような私服を袖に通す。

 やはり今から学校へ行くというのに私服に着替えているのはズル休みするみたいな感じだが、前の学校でそんな事ができてもそんな事が思わなかっただろうが……。

 そんなことを考えているうちに支度が終わる。


「よし。」


 俺はもう一度忘れ物がないか確認し、そのまま家を出た。










 俺は新しい学校の理事長室まで着ていた。

 私立の大学附属の高校で、この学校は授業料として年間100万円近く掛かる高校であるが、前校長が何とか話をつけてタダにしてくれたらしい。

 そんなことは置いておき、俺は理事長室の部屋をノックする。


「すみません、橋本と申します。……入ってもよろしいですか?」


「橋本くんね、事情は聞いてるから入ってもいいよ。」


「失礼します。」


 俺はひとつ声をかけ、ドアを開ける。

 中はアニメ、マンガのような豪華な造り……というわけではなく、案外小学校の校長室のような簡素なつくりになっている。


「そこのソファーにでもかけてくれ。」


 俺は理事長に促されソファーにすわる。

 理事長はその対面のソファーにすわり、ひとつため息を吐いてから話し始めた。


「うちの高校へようこそ……、でいいのかな。君にとってあまり喜ばしいことでもないだろうけど。」


「編入する経緯はあまり宜しくはないでしょうけど、仕方がないですし……。」


「まぁ、そうだよね。冤罪を受けた側なのに学校で対応できなくて追い出されたみたいな感じたもんね。ほんと、あいつは何やってんだか……。」


 理事長は少し呆れ気味な表情で話す。


「まぁ、そんなことは置いといて今日から普通に授業を受けてもらうことになるから、職員室で担任だけにでも挨拶はしておいて。2年7組の近藤先生ね。」


「はい、わかりました。では、失礼します。」


 俺はそう言って理事長室を出た。










 俺は職員室で近藤先生に挨拶をし、業務連絡等の話が終わってから、2人で教室に向かう。


「冤罪事件で人間関係で悩みも出てくるだろうけど、いつでも頼ってくれていいからね。」


「ありがとうございます。」


「あぁそうだ、後でクラスで自己紹介してもらいたいんだけど、呼ぶからすこし廊下で待っててくれ。」


 俺はそのまま待機して、近藤先生は教室に入っていく。

 中からは椅子の引く音、先生の話し声が聞こえる。


「入ってきていいぞ。」


 近藤先生に呼ばれて俺は教室の中に入る。


「「あっ。」」


 周りを見渡すと、ぶつかった時の女性がいた。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る