第8話

翌日、俺はいつも通り学校へと登校する。

正直、編入するのにこれ以上この学校に通う必要があるのかと少し考えたりもしたが、編入した先で成績が良くなかったりすると面倒なことになるので仕方なく通う。

特に話す相手もなく、のんびり向かっていた。


「おはよ〜、良太〜。」


のんびり向かっていたのに、邪魔が入ってきた……。

なんなら開き直ったのか知らないけど、冤罪をかけられる前みたいな接し方になってる……

何もなかったかのように接されるのが1番ウザく感じる。

俺は新山さんを無視して隣を通り過ぎると、彼女は俺の隣に並んでついてきた。


「良太、今日の放課後一緒に遊びに行かない?」


(こいつ……どんなこと考えたらこんなこと言えるんだよ…)


新山さんの頭がおかしいのはいままでの接し方でも分かっていたが……ほんとこいつどうなってんだと思う。

それでもこれ以上新山さんから避けるために力を使っていると1ヶ月も持たない気もする……。


(……………………少ししんどくなるけど…、1ヶ月くらいなら……)


俺はそう考えて避けずに自分に無理がない程度で接していくことにした。


「……、ご、ごめん……、今日は予定が入ってて……無理なんだ……。」


「そ、そうなんだ…。急に誘ってごめんね。」


俺が彼女の誘いを断ると、新山さんは落ち込みながらも少し嬉しそうな表情を見せた。

その後も会話はぎこちなかったが、続けながら学校へ向かった。











side 新山 奏


今日は登校時に良太に声をかけてみた。


「おはよ〜、良太。」


いつもはあの件のことを申し訳なく思ってしまい、暗い感じで話してしまったが、相手に話しかけるなら明るい方が話しやすいのではないかと思い、明るく話しかけてみた。

でも、良太は私を無視して学校へと向かっていく。

無視されてしまったが、このまま諦めるのは嫌なので彼の隣に並んで行くことにした。


「良太、今日の放課後一緒に遊びに行かない?」


並んでいくだけなのも嫌だし、これからもっと良太と過ごす時間を増やしていきたいと思っているので、遊びに誘ってみた。

横から良太の顔を見ると、目線は少し落ちていてなにか思い詰めているような感じだった。

そんなに悩む必要のあることかな?、と思ったが、こちらから口出しすることでもないので黙って返事を待つ。

そして数分たった頃くらいに返答がきた。


「……、ご、ごめん……、今日は予定が入ってて……無理なんだ……。」


誘いには乗ってくれなかったことに対して、少し寂しく感じるが、私の質問を良太が返してくれたことはとても嬉しかった。

そんな状態のまま、私は良太と登校中ぎこちなかったが会話をした。

話していると気づかないうちに学校に付いていて、教室で別れる時、とても寂しく感じた。

やっぱり良太と過ごすのが1番幸せなんだと私はとても感じた。


(あぁ……、やっぱり…、大好き…)

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