俺の冤罪が明るみになった。

Space

俺の冤罪が明らかに...

第1話


何故か分からないが、6限の後、ある女子生徒が体操着を探していた。

俺はそんなことを気にせず、帰る準備をしようと思い、鞄を開けてみると見知らぬ巾着袋が入っていた。

なんだろうと思っていると、探していた生徒とは違う女子生徒が、


「橋本、あんたなにしてんの?」


「え?」


なんか怒気を孕んだ声と軽蔑の視線を向けられている。

訳が分からず、変な声をあげてしまった。


「いや、それ、なんであんたが美里の体操着を持ってんか聞いてんの。」


「いや…」


俺が答えようとする前に、生徒会副会長の荒山が声を上げた。


「こいつ、体操着盗もうとしてたんじゃね?」


その声を皮切りにクラスメイトが、声を上げる。


──うわぁ〜、女子の物盗むなんてキモ。

──こいつの顔、変態みたいな顔してるしな。

──もう、こんなやつと関わらない方がいいな。


俺はなにもしていないのに、クラスメイトから受ける罵詈雑言に少しめまいがしたが、その巾着を机に置いて、そのまま教室を後にした。


半年後


俺、橋本良太は憂鬱な気持ちで実家に向かっていた。


「なんでバイトドタキャンしてまで今更実家なんかに帰らなきゃいけないんだよ…。こっちは生活がかかっているのに。それに俺を追い出したのはアイツらだろ…。」


そこに居ない誰かに向けて呟きながら、進んでゆく。


あの事件の犯人はあれからも出てこず学校中、そして、家族にまで知られた。


『あんたなんか産むんじゃなかった!』


『お前をそんな風に育てた覚えはない!そんなやつ俺たちの家族じゃない!』


『あんたってそんなやつだったんだ…』


母さんと父さんは怒気を孕んだ声で、彩音姉さんは軽蔑の視線を向け、静かに発した。

俺は次の日に家から追い出され、両親が借りたと思われるアパートの一室で生活することになった。

両親は家賃だけは出してくれたが、その他の生活費はほとんどなかったので、自分でバイトをすることになった。

やっぱり家族の言葉や追い出された時のことを思い出すと少し吐き気がするが、押し殺した。


もう早く終わらないかな…。










実家に着くと、同じ学校の男子生徒とその両親らしき人たちがいた。

その男子生徒をよく見てみると、生徒会副会長である荒山悟がいた。

彼らはこちらを見て、申し訳なさそうな顔をし、すぐ顔を俯かせた。

そのまま家に近づくと父さんが、


「こちらに来なさい。」


少し怒気を孕んだ声で俺を呼んだ。

俺はそれに従い、父さんの方へ向かう。

その途中、母さんと彩音姉さんの顔を見ると、こちらを睨んでいた。

そんな家族に少し怯えながらも、俺は父さんに声をかけた。


「なんで今更俺を呼んだ?」


父さんが喋ろうとした時、荒山の母親と思われる人が口を開いた。


「ほんとうに…ほんとうに申し訳ありませんでした」


そしてそのまま土下座をし、荒山と彼の父親も続いて謝罪の言葉を口にし、土下座をした。


俺はなんとなく分かってしまったが、母さんと父さん、彩音姉さんは状況が理解できていない様子だった。


「ど、どういうことですか?急に謝られても困ります…。」


戸惑いを隠しきれていないが、母さんは荒山の母親に尋ねる。


「え、ええと家の子が、そちらの息子さんに…」


途中で泣き出してしまい、進まなくなったところで、荒山の父親が言おうとしていたことを話し始めた。

俺が女子生徒の体操着を盗んでいないことやそれを荒山が俺の鞄に体操着を詰めて、自作自演をしていたこと、それをしていたのは俺だけでなくあと2,3人くらいに行っていることも。

それに動機は成績不振や部活動のレギュラーに選ばれなかったことによる不満やストレスの発散であること。

彼はひとが貶められている姿を見て、ストレスを発散させていた。

でも人に被害を被らせてまでやることはいけないと思いつつも、その姿を見ること以上に発散できるものがなく、次第にこれでしか発散できなくなってしまったらしい。


「っ、そ、そんなことでうちの子がこんな目にあったというのですか?!」


「ほんとうに申し訳ありませんでした。」


母さんは声を荒げて、尋ねていた。

それを聞いてなにも答えることができなかったのか、ただただ謝ってきた。

俺はそれを聞いていた家族の様子を見てみると、母さんは怒りと後悔を滲ませ、父さんは自責と後悔、彩音姉さんは驚きのあまりにまだ固まっていた。


「どうしてくれるんですか、良太はこんな目にあったのにどうしてくれるんですか!」


「母さん、もういいよ!」


「良太はそれでいいの?!」


俺は声を荒らげる母さんを止める。

母さんはもっと言いたいことがあるのか、俺の言葉を気にしながらももっと喋ろうと口を開こうとする直前に遮られた。


「ほんとうにすまなかった。俺は到底許されないことをしてしまった…。この相応の罰は受けようと思う…。」


俺はその言葉を聞いて怒りが爆発した。


「相応の贖罪を受ける…、そんなことでされたことの苦しみは消えないし、時間だって戻ってこないんだよ…。そう軽々しく罰を受けるなど言わないでくれ!

もう帰ってくれ、もうなにもかも遅い、遅すぎるんだよ!」


俺はそう言い、泣きながら走って自宅へ帰った。




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お久しぶりの方はお久しぶりです。

Spaceと申します。


部活動の関係でなかなか投稿できなかったのですが、少しずつ投稿していきたいと思います。

頻度は不定期になりますがそこは許していただけたらなと思います。(今回みたいな2,3ヶ月空くこともあるとは思います。)


あと文章で気持ち悪く感じる部分が沢山あると思います。ごめんなさい。


学校一の美少女が幼馴染ではなく、俺ばかり見てくるんだが… も投稿していく予定ではありますのでそちらもよろしくお願いします。


こんな私を応援してくれる人はこれからもよろしくお願いします。

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